第一物語・後半-日来独立編-
第四十五章 火炎の鳥《1》
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い。きっちりと修理してやるからよ』
微かに、増田の口が微笑む。
『緋翼以外にもぼく達がいるに、残念だなあ』
「すまん、すまん。ついつい緋翼のことに頭が一杯になってね。後でキスでもしてやるよ」
『いらないって!』
『……照れるな……』
『照れてないって!』
『……それは、心の準備が出来てるってことか……?』
『違うよ! からかわないでよ! て、ああ、もう! 来ちゃったじゃん!』
叫び、否定していた継叉の周りに、幾つもの映画面が表示された。
そのどれも一つ一つに、“愛の会-I love 継叉-”と表示されたタイトルバーがある。
映画面に映るのは皆、異性である女性のみで男性は見当たらない。
高等部や中等部の学勢から大人、更には小等部の学勢までもが映っている。
誰もが口々に、どういうことか、と説明を求めている。が、継叉はそれに答えること無く、頬を赤めたまま次々と表示される映画面を割っていく。
それを見ていた機械部所属の大半の者は、一斉に舌打ちをした。
見ていたジューセンは、一向に終わりそうに無いそのやり取りを見て、
『……身近にいる大切な者だからこそ、守りたいものだ……』
「アンタにしてはくさい言葉だね」
『……俺は一体どう見られてるんだ……』
ふて腐れたような顔のまま、言うのだからおかしいものだ。
そうだ。
自分には緋翼だけじゃない。頼れる仲間達もいるのだ。
皆、苦しみを背負いながらも笑って生きている。
ならば、自分はそんな場所のためにも戦わなければならない。
それが、今の自身の役目だ。
「これからは集中したいから通信切るよ」
『……分かった。なら、こちらからは通信を行わないが、いいか……』
「オーケー」
『ぶっ飛ばしてこいや!』
増田の一言を聞き、通信を切り、同時に映画面は消えていった。
落ちるなかで、火炎ノ緋翼の元へと向かって行く。
流魔の放出で加護な適用範囲外に出てしまったため、今は簡易的な加護を発動して身を守っている。
簡易的なため加護の持続時間は短く、もうそろそろで消えてしまうだろう。
だから、入直は行く。
火炎ノ緋翼の元へ。
●
火炎ノ緋翼は腹部に流魔刀による二撃を食らい、その攻撃を行った辰ノ大花の騎神・戦竜は火炎ノ緋翼の背後にいる。
イグニッションを連続で三回行ったため、速度を落としきれずにそのまま背後に回ってしまったのだ。
だが握る流魔刀はきっちりと、敵の身体を捕らえた。
反転し、敵の方へと顔を向ける戦竜は、空から落ちていく者を見た。
敵の騎神の操縦者だ。
大気に揺らされながらも、自身が操る騎神の元へと落下していた。
そのまま騎神へと乗るつもりなのだろう。
仕止め切れなかった時のことも考え、戦竜は敵の
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