第二十四話
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「だ、駄目だよイリア！」
「あ~~、もう！わかったからそんな目で見ないでよ！」
イリアはしぶしぶ了解すると、腰に装着していた拳銃を二丁取り出す。
それに続き、ディアたちも各々の武器を取り出し、サンドワームに攻撃が届く範囲まで接近する。
「魔神剣！」
戦いの基本ともいえる剣を振るい衝撃波を放つ技、幾度の戦闘、修行で使ってきたディアお得意の剣術。
その衝撃波は地面を僅かに裂くほどの威力にまで上り積めていた。
例え魔神剣でも、これ程の威力を得ればかなりの攻撃になると思ったが、サンドワームの辺りに発生している、蟻地獄により、衝撃波はたちまち砂に飲み込まれ相殺されてしまう。
「そんな！？」
「なら、鳳凰天駆！」
「ライトニング！！」
地上が駄目なら空中と考えたのだろうか、クレスとカノンノはすぐさま、空中で炎を纏いながら相手に向かって急降下する奥義、空から落雷を落とす魔術を放つが・・・
『！！』
サンドワームは二人の攻撃が当たる直前に地面に潜り込み、攻撃を回避する。
「地面に！？」
「何処に・・・」
ディアは急いで辺りを見渡すが、そもそもサンドワームは地中に居るので発見することができない。
自分の足元の地面を見た瞬間、ボコッと砂が急に膨れ上がる。
「うぁぁ！！」
「ディア！」
一瞬の出来事で反応が遅れてしまい、ディアは突然、足元から姿を現したサンドワームに足を噛みつかれる。
「っぐぅ！！」
「ディア、待ってなさい！ツインバレット！」
急いでディアを救出しようとイリアはバックステップしながら二丁の拳銃を連射するが、サンドワームはディアを一向に離さず地面を泳ぐように動き回り、全ての銃弾をかわしてしまう。
「銃弾が当たらない！？」
「どうしよう！このままじゃディアが！！」
「ぐぅ！！と、とまれぇ！！」
痛みに堪えながら、持っていた双剣をサンドワームの顔面に深々と突き刺す。
突然顔を突き刺されたので、動き回っていたサンドワームは動きを止め、暴れながらディアを地面に叩きつける。
「っあぐぅ！！足が・・！」
「ディア！待っててすぐに治してあげる！！」
カノンノが全速力でディアに駆け寄り彼の足を見た瞬間、言葉を失う。
ディアの傷は足だけで済んでいたが、その足からは大量の出血と先程、サンドワームに噛まれたせいで足の肉を僅かに食いちぎられていて、骨も若干見えていた。
誰がどう見ても重症だとわかる。
「イリアはカノンノと一緒にディアの回復を！サンドワームは僕がなんとかする！」
「頼んだわよ！」
イリアもディアに駆け寄ると一瞬、言葉を失うがすぐに治癒術の詠唱に入る。
それに続いてカノンノも眼に涙を溜めながら治癒術を何度もディアにかける。
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