暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
そして、英雄達は殺し合う
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入る反撃のチャンスを多く与えてしまうことになってしまう。

技後硬直時間とは、武器を持ったもの全員が抱える最大のジレンマなのだから。

そう思っていたからこそ、カグラは振り下ろされてくる拳が空っぽなのを見て安堵した。なるほど、空中でクナイを捨てたのならば、技後硬直時間など無視できる。

普通ならば絶対にできない発想の仕方だ。

戦闘中での武器の有無は、大きく勝敗を分ける。それこそテオドラのような例外を除き、体術とはあくまでも主武器(メインアーム)の補助的な役割なのだ。

───ここで体術にもつれ込ませる腹ですか……。しかし、一歩考えが及びませんでしたね。

やっとのことで見出せた勝機に、カグラの口角が持ち上がる。

負傷したのが左肩で良かった。

利き腕のほうの右肩を潰されていたら危なかったのかもしれないが、カグラの心意技は今も継続中なのだ。

数倍まで膨れ上がった冬桜の刀身が纏っている業火が、今この瞬間にも辺りの空気を喰らい、かき乱している。その一閃の威力はもう計り知れない。鋼鉄すらも、バターのように寸断できるだろう。人間の身体など、もはや論外だ。

だから、カグラは笑う。

勝者の余裕で、勝利の笑みを浮かべる。

しかし、その笑みはまるで蝋燭に灯る炎のように、あっという間に掻き消えた。

振り下ろされてくるウィルの両手。

スローモーションのように、コマ送りでゆっくりと脳内に入ってくる彼の手が、視界の端から落ちてきたモノをしっかりとキャッチしたのだ。

そう、クナイを。

彼は捨て身で接近戦を挑んできたのではない。

全て、計算どおりだった。

多数の武器を使い、一対多を得意とする幻の《システム外スキル》。

その名を、カグラは知っている。しかし……そんな…………あれは………。

呆然とした顔で、カグラは

「多刀流………」

呟いた。
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