暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
そして、英雄達は殺し合う
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ょうのかがやきはてつをなし)、全武具意思持(すべてのぶぐはいしをもたん)ッッ!」

十のクナイ全てに過剰光が集まり、ミサイルのような輝きになる。

それを迎撃せんと、カグラは己の心意技で巨大化した大太刀、固有銘《冬桜(とうおう)》を振るう。

しかし、ミサイルのようになったクナイ達は意思を持っているかのように、カグラの太刀の射程(リーチ)ギリギリのところで軌道を変える。

「──────ッッ!!な…………ッ!」

飛び回る羽虫のように周囲を旋回するクナイを、カグラは狼狽しながらも一つずつ確実に叩き潰さんと冬桜を振るう。

心意技《煉王聖火》の属性は《真空生成》。

刀身が通り過ぎた座標上、そしてその周囲の気流を半強制的にかき乱す。

周囲を、カグラの隙を窺うかのように旋回していたクナイは、弾かれたように軌道が頼りなくなりカグラに一閃された。

しかし、その隙に接近していたウィルが新たに手の中に出したクナイをクロスするように振るう。

刀身から漏れでた過剰光が、宙空に綺麗なバッテンを作り出す。それをカグラは身を屈めるようにして回避。だが────

和鉄鍛(わはてつをきたえ)其鋼造(そははがねをつくらん)ッ」

避けたカグラの頭上。

通り過ぎようとしていたクナイの刀身が突如として、グニャリと曲がった。

切っ先が向けられたのは、やはりというか、カグラがいる真下。しかも身を屈めているせいで、急所である天頂が隙だらけである。

そして、グニャリとスプーン曲げのように曲がっているクナイが今度は、伸びた。

まるで西遊記の主人公の持っている武器の如く、何の予備動作もなく、投擲でもなく、唐突に刀身だけが伸びたのだ。

「くっッ──────ッ!」

カグラは必死に首を捻り、急所である頭部への被弾を防ごうとする。

幸いにも鈍色の刀身は耳を浅く切り裂いただけで通過した。しかし、さすがに完全なる回避(イベイド)はできず、無防備な左肩に鈍い音とともに突き刺さった。

途端に、左肩を中心に灼熱の熱感が吹き荒れる。

よ湧き上がる激痛に顔をしかめながらも、カグラは接近を嫌って牽制の意味合いで冬桜を振るう。

しかし、大振りなモーションで振るわれたそれはあっさりと避けられ、ウィルはそこから更に翅を震わせて懐に飛び込んでくる。

それを見、カグラは胸中で激しくいぶかしむ。

ウィルは先刻、クナイを振るった。そのため、現在は振るったままの体勢のはずだ。

いくら強い者でも、手足が触手みたいなものでもない限りは、この短時間で硬直時間がとけるわけがない。

武器を大振りにすればするほど、当然ながらその後の反動も高くなる。逆に、隙を少なくしようとコンパクトな攻撃ばかりになると、相手に付け
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