第二十六話 ベルリンの炎
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かない。ガルバルディβは元々装甲を薄くしていた為、完全に機能がいかれ壊れてしまったようだが、どうやらストライクノワールの方はパイロットが衝撃で気絶しただけなのだろう。機体自体はまだ生きていた。
「あーあ、畜生。丁度いい実戦経験だったんだがな……」
既に戦闘は殆ど終了している。母艦のラー・カイラムにも損傷はあるようだが軽微だ。ウィンダムもダガーも既に撤退戦に移行していた。アレックとルドルフは敗残兵を追うような無粋な真似を嫌う人間だろうから追撃も無いだろう。
「となると、ここで待ってても良いわけだけど―――」
それではつまらないとばかりにコックピットを開き、ストライクノワール(ノワールパックが破壊されてるのでストライクと呼んだほうがいいのだろうか?)のコックピットも外部から強制的に開く。
「やっぱり彼なのね……」
ヴェルデバスターとストライクノワールが行動していた時点で予想は付いていたがスウェンと呼ばれるパイロットだったはずだ。そんなことを考えながらコックピットに入り込む。システムは予想通り生きており、ザフトの識別信号を出して、ガルバルディβを回収しながらストライクノワールを動かす。
「クラウ・ハーケンよりラー・カイラムへ。敵MSと捕虜を確保した。これよりそちらに帰還する」
『まて、捕虜だと?何だそれは、お前はまた厄介な人間を増やすというのか!?』
グラスゴーが文句を言うが、議長から貰った権限はグラスゴーの権限よりも上なので、報告するだけして無視することにする。元々、別に悪いことではないのだ。人道的処置だし、捕虜を取ったらいけないなんて軍規もない。それどころか敵のMSも鹵獲したのだから成果としては十分だろう。ガルバルディβは壊れたけど。
『うむ、既に敗れた敵兵を撃つような真似は恥だ、賛同しよう』
『そうだね、捕虜を撃ち殺すなんて美しくない』
アレックやルドルフの賛同も得たのでグラスゴーも反論のしようが無い。そもそも敵を倒していったのはクラウを含めた三人なのだから。
『管理は貴様がするんだぞ、クラウ・ハーケン……』
グラスゴーはそうやって恨めしげに言うしかなかった。
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