第一部
第三章 〜洛陽篇〜
二十七 〜江東の虎〜
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っとさ、気楽に行こうじゃないか」
ふむ、この時代の皆、という訳ではないが……あまり、言葉遣いに気をかけぬ者が少なくないようだな。
「では、そうさせていただくが、良いのだな?」
「構わんさ。ああ、これは我が娘、孫伯符だ」
孫堅の隣にいる少女が、かの孫策らしい。
髪も肌の色も、見れば見るほど、孫堅そっくりだ。
どこか奔放そうな印象がある一方で、やはり覇気の片鱗は感じられる。
「土方だ」
「よろしく。母様から聞かされていた通りね……ふ〜ん」
そう言いながら、無遠慮に私の顔を覗き込む。
「なかなかいい男じゃない、あなた」
「こら、雪蓮! いくら何でも失礼だぞ。済まんな、土方」
「気にするな」
「そうか。俺には、まだ娘が二人いる、いずれ引き合わせてやろう」
孫堅の娘、か。
恐らくは孫権と……もう一人はわからぬが。
「今宵は、曹操も交えて戦勝祝いと参ろうぞ。土方、お前も来い」
「おお、流石は堅殿。話がわかるの」
「わーい。さっすが母様」
どうやら、三人は酒好きらしい。
「孫堅。それなら、洛陽に着いてからになさい」
いつの間にか、華琳が来ていたようだ。
「いいじゃねえか。勝てば祝う、当然の事だぞ?」
「あのね、私達は官軍よ? 報告が先決でしょう? 洛陽まではあと僅かなのに、それを怠る気?」
「ぐっ、堅いなぁ。ならば、後日必ずだぞ? その時は、お前も参加だからな」
「はいはい、わかったわよ」
同じ英傑でも、まるで方向性が違う。
ふっ、なかなかに趣深いではないか。
内心から沸き起こる期待を、私は抑えかねていた。
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