暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン ―亜流の剣士―
Episode2 二人
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
くれたからだ。

シスイ達と別れる際、なんとなくこの子とも別れるんだろうと思っていた。だが、どうしたことか、アカリ自身が強く「一緒に行きます!」と主張した。当然、俺はあんなことの後だったりカーソルがオレンジだったりを理由にして断ったのだが、粘り強く訴えられ最後には涙目になったアカリとそれを見てニヤニヤするシスイに負けた形だ。

アカリが《隠蔽》スキルに長けていたことは承知済みだったものの《索敵》まで俺より高いことは確認していなかった。俺としてはオレンジカーソルが露呈しないようにコソコソしながら、まぁ3日くらいで教会に着けたらいいなといった感じだった。が、アカリが着いて来たおかけで「そっちに人がいます」とか「あっちに怪獣さんがいます」等々俺一人では気付けないようなことを教えてくれ、結果半日掛かりではあるもののもうすぐ迷宮区逆踏破というところまでたどり着いている。





そうこう考えているうちに迷宮区の入り口と思しきものが見えてきた。時刻がそろそろ午後の10時を回ろうとしている。そろそろ眠たいのであろう、俺にばれないようにこっそりと欠伸を噛み殺したアカリに俺はなんとなく質問を投げ掛けていた。

「なぁ、アカリは…これからどうしたい?」
「へぅ?…っとですね……夜ゴハンが食べたいです」

アカリの返答に俺は絶句した。少々回りくどかったが俺の質問の内容はつまり「これからも俺と来るの?それとも…」ということのつもりだったのだが、まさか晩御飯と来るとは…。

「…そっか。……うん、じゃあ食べよう。ただ教会に行った後になるけどいいか?」
「えっ、もちろんですよっ!やったぁ、一緒にゴハンですねっ!」

笑うアカリにつられ笑いをしながら、多分俺はこの子とパーティーを組むんだろうなぁと予感していた。いや、それがパーティーでなくても俺は当分アカリと一緒にいるんだろう。嫌では全くなかった。

迷宮を出て10分程歩くと目当ての教会が見えた。白塗りだったと思われる外壁には青々した蔦が絡み付き、そのせいか壁には幾筋もヒビが入っている。その中で何故か奇跡的な美しさを保っている扉のノブに手をかけ押し開いた。正面には祭壇に大きな十字架、その上には女性を象ったステンドグラスの窓がある。俺のイメージが間違っていなければちゃんとした教会だ。

「おやおや、こんな時間にどなたですかな?」

薄暗かった教会内を蝋燭の光が照らした。燭台を手に持った男がこちらに歩いて来る。

「わぁ、サンタさんですぅ…」

アカリが言うように出て来た神父と思しき男は白く長いヒゲを蓄えていた。祭壇の前で立ち止まった神父にこちらから歩み寄る。恐らくもうクエストが始まっているだろうからアカリにはその場に待っていてもらう。

近付くにつれはっきりと見えてきた神父の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ