一周年記念コラボ
Cross story The end of world...
終わりの世界、異端者は邂逅せり
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り輝く三本の爪が、舌なめずりをするようにギラリと光る。
一瞬の膠着。
その後、ヴンッと空気すら切り裂くように爪が降り下ろされた。迫り来る唐突な死の化身とも言えるそれを見、蓮はやっと、逃げろというコマンドを受諾することができた。
「──────ッッッッッ!!!!」
足に力が入り、目一杯横に跳ぶ。
数瞬後に、今の今まで立っていた地面に轟音とともに深い傷痕が刻み込まれた。
地面に薄く堆積していたコンクリートの粉が舞い上がり、真っ白な雲になって顔を叩く。
拳大の破片が後頭部にぶち当たり、一瞬意識が持っていかれそうになる。
ぼんやりとした視界の向こうで、巨大な異形の影が高らかに足音を響かせて近付いてくる。
───逃げ…………なきゃ……
そうは思うが、体は全く動いてくれない。ささやかな動きとしては、投げ出された指の先が芋虫のようにモソモソ動いただけだった。
しかし、変化は突然だった。
何の前触れもなく、視界が青色に染まった。いや、周りの物が発光しているわけではない。
蓮自身が、青く発光しているのだ。
この光を、蓮はあの世界で幾度となく目にしたことがある。今はなき、あの鋼鉄の魔城で。
───転移………光!?
驚愕すると同時に、蓮の意識は純白の闇の中へと引きずり込まれていった。
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「うーん……」
所々何かにぶつけたように僅かな痛みがある、体を起こす。
「痛っ……何で鏡に吸い込まれんだよ……ファンタジーなものはゲームの中で十分なんだよ。何で現実でもこんなことが起こるんだよ……」
服についてたゴミを払い、ここがどこなのかを確認するため、あたりを見渡す。だが、気が付いた場所はどこか建物の中だったのでよく分からない。
仕方なくスマホを取り出してGPSで場所を知ろうと思ったがスマホの電源が入らなくなっており、位置確認も出来なくなっていた。
「クソ、こんな時に故障かよ」
そう呟いてからポケットにスマホを戻すと、あたりを見渡す。現代では絶対見られないような感じの廃れた建物だろうか?所々に大きなひびが入ってたり、鉄骨がむき出しになっている。
それに何年も誰も出入りしてないため、そこら辺にほこりが積もっている。
「まずは、いつ壊れるかわからないこの建物から出なきゃな」
建物の出口を探すために廊下に出るが、すぐ目の前に古びた案内図があったため建物の構造をすぐに理解することが出来た。そして建物からでると曇天の空が広がり、今までいたマンションとは違う場所にいた。
「ここはどこなんだ?」
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