一周年記念コラボ
Cross story The end of world...
終わりの世界、異端者は邂逅せり
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の姿は見当たらない。その事に僅かに安堵のため息を吐く。
彼の立つビルはその辺りのビルでは一番背が高く、様子を一望出来た。故にここが何処なのかも容易に特定出来た。
「……東京、なのか?」
幾つか不可解な点は有るにしろ、ここは紛れもなく東京。状況が分からない以上、燐は無理矢理その事実を納得した。その時、
「キィィィィィッ!!」
「…………っ!?」
上空からの奇声を視線で追うとそこには所謂『怪鳥』の類いであろう巨大な鳥がその小さい版―――とは言っても人間を丸飲みできる位の大きさ―――を従え、横切っていった。
慌てて排気ダクトの物陰に隠れ、理解の追い付かない頭を整理した。
1、ここは東京。ただし、よく知っている東京ではない。
2、見たこともない聞いたこともない生物がいる。多分友好的ではない。
3、帰れる見込み無し。
「最悪だな……」
引っ越しの途中であるし、置いてきた詩乃が混乱するのは明白だ。一刻も早くこの世界から帰る必要がある。
とにかく行動しようと物陰から出た瞬間、さっきの怪鳥共が自分を囲んでいるのに気がついた。
「ち、気づかれてたか……!」
咄嗟に手を背に伸ばそうとして手がピクリと動く。しかし、当然背に剣はない。
今、燐は《リン》では無いからだ。背筋が氷る。
巨大怪鳥から発せられる生々しい殺気に当てられ、汗が吹き出す。
2本の足でゆっくりと怪鳥が近づいてきてその鋭い嘴を燐に突き刺そうとしたその時、燐は青い光に包まれ、その場から消えた―――
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「…………………………ぅ……ん」
小日向蓮は軽く呻きながらも目を覚ました。
軽い頭痛。あまり気持ちが良い目覚めとは言い難い。
軽く頭を降りながら、起き上がるために手を伸ばすと、地についた手のひらからザリッという感触。
あれ?と思って思わず下を見ると、寝転んでいる足下はボロいアパートの板張り廊下ではなく、味気も何もない灰色の砂になっていた。
体を起こすと、埃っぽい風が頬を撫でていく。いや、埃っぽいと言うよりは、砂が混じった風だろうか。どちらにしても、積極的に吸うのはお断りだ。
濃度はかなり濃く、霧のように数十メートル先は灰色に塗りつぶされている。
まず、状況を詳しく知りたいという欲求を覚え、勢いよく立ち上がって辺りを見回した。
すると、どうやら自分が立っているのはだだっ広い交差点のど真ん中ということがわかった。擦り切れる寸前といった風な横断歩道が視界の端に映る。さらにその少し上には、半ばからひん曲がったカーブミラー。
それだけでは、状況は全くと言っていいほど分か
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