一周年記念コラボ
Cross story The end of world...
終わりの世界、異端者は邂逅せり
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重は向こうの方が上だし、足だって二足歩行が四足歩行に勝てる道理は無い(勝てるヤツは居るかもしれないが)。
「……仕方ないな」
勝算の無い戦いはしたくない。しかし、今はだからと言って撤退する事は出来ない。
まだ手に持っていたその金属片を右手の親指と人指し指で挟み、投げる。狙いは目だ。
「グオォッ!?」
「…………っ!!」
突然の事で反応が遅れ、避ける動作が大きくなり、視線が俺から外れる。
その隙に俺は獣の方に走り出した。そのまま交差し、獣の後方に抜け、脱兎の如く走り出す。
獣の方に逃げた理由は至極簡単。前方に崩れてはいるが、元病院らしき、ドア付きの建物を見つけたからだ。更に病院なら武器になりそうな物が残ってそうな気がした。
走ってきた勢いそのままでドアを破壊し、受付脇の階段に飛び込むと非常扉を閉める。錆び付いた非常扉は脆そうで頼りなかったがそれを今さら言っても仕方がない。
二階は瓦礫で埋まり、廊下へ出ることは出来なかった三階、四階と昇って行くが、床が無いか埋まっているかだった。
そして、屋上。ねっとりとした風ともはや嗅ぎ慣れた腐敗臭。
「くそ……流石に詰んだな」
灰色の空にはおおよそこの世のものとは思えない怪鳥がひしめき、目の前には頭が3つもある巨大な蛇………の胴体にカニのような甲殻をもつ足が付いた、今時の仮想世界にも居ない、わけの分からない怪物だ。
それらの視線は明らかに立ち尽くす俺に向いており、怪物共は俺を巡って互いを牽制している状況だ。
「ああ……クソッ!」
今出てきたドアを再び潜り、ガタついて今にも壊れそうなそれを無理矢理閉める。二階と同様出口が埋まっている四階の瓦礫の間を上手く通り抜け、念願の廊下にたどり着く。
しかし、そこもあちこち崩落していてとても安全だとは思えない。ついでに言えばさっきから天井が軋んでひびが入ってきている。このままでは生き埋めだ。
八方塞がりのこの状況でも彼は考える事をやめない。諦めたくなる状況ならもう経験済みだ。その時、
―――ズドォン!!
「厄日だな、全く!」
天井を突き破って降りてきたさっきの多頭多足蛇の牙をかわし、後退する。
しかしそこはもう行き止まり。
今度こそ完全に詰んだと思った時、彼の体を青い光が包んだ―――
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「……何だ、ここ」
気がつくとそこは見たこともない、荒れた世界だった。
あえて言葉で言い表すなら『終わった世界』だろうか。燐が立っているのは大きなビルの屋上。後ろを向いても燐を吸い込んだはずの鏡は見当たらなかった。
一応周りを確認するが、詩乃
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