一周年記念コラボ
Cross story The end of world...
終わりのプロローグ
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の時以外は出てこないと言う重度のヒキコモリだからしょうがないとして、反対側の隣人、葛城ミサトが休日の夕方に騒いでいないと言うのはどういうことなのだろうか。独身街道まっしぐらの彼女の休日と言えば、昼頃からアパート住人達と酒を酌み交わして、夜を徹してどんちゃん騒ぎをしているのに。
そこまでを考えて、蓮はベッドから抜け出す。時計を見ると、すでに時刻は午後六時時を指していた。昼か夜かが微妙な時間帯だが、むしろアパートの住人達にとってはもっとも活動が活発的になる時間だ。
───ま、たまたまってこともあるか。
そんな呑気な思考を脳裏で思いつつ、部屋のドアを開けた。
アパートの廊下はやはり、普段の姿とは全く違って静まり返っていた。
さすがにいつまでもこうしてじっとしているわけにもいかないので蓮は部屋を出て、少し早めの夕食を食べに階下に降りていく。文字通り、《夕》食だ。
うーん、心が高鳴る。賄いである、るり子さんの料理は絶品だからだ。SAO時代に、何が悲しかったってそりゃ、るり子さんの《手》料理が食べられないことであるくらいだ。
和食ならシャケ定食、洋食ならオムレツ辺りかなぁ〜♪などとポワンポワンした幻想の中に身を任せていた蓮は、だから階下から上ってきた人影に気が付かなかった。
ドン!と派手にぶつかった。
「うわっ!」
「ひゃうっ!」
ぶつかった場所が踊り場だったのが幸いした。階段を転げ落ちると言うアンラッキーなイベントが発生することもなく、尻餅をついた。
いてて、と言いながら見ると、両腕一杯に小難しそうな分厚い本を数十冊持っている状態で同じく尻餅をついている、見た目小学生の《女性》がいた。階下に住む高校教師、月詠小萌である。
「いたた、あれっ?蓮ちゃん。お昼寝たんですか?目が眠そうですよー」
のんびりとした声で言う彼女に、小萌せんせー、と蓮は言う。こう言わないと、彼女は泣き出す寸前のいじめられっ子のようなオーラを発するのだ。
「ちょうどよかった。みんなはどう…し……たの………」
フェードアウトしていく声。
蓮は踊り場の端っこに妙なものを発見して、ぎょっとした。
夕焼けの真っ赤な陽の光に照らし出されたそこには、大きな緑の姿見があった。
大きい、といってもボロいアパートのボロい踊り場だ。天井はそこまで高くはない。その鏡は、一メートルと………八十センチくらいだろうか。
しかし、高さなどどうでもいい。蓮が驚いた訳は、その鏡が宙にフワフワと浮いていたからだ。
かのアインシュタインだかニュートンだかが定説した万有引力に、真っ向からタイマンを張っているそのシュールな光景に蓮は釘付けになった。
「な……に、あれ…………?」
小萌先生も蓮のただならぬ気配に気付き、釣られ
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