第二十五話 前哨戦
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笑顔のままクラウはそう言って二人の忠告を無下にする。
『まあ、何にせよ―――僕の機体は間に合っていないようだからね。君達が先に出て行ってくれたまえ』
『金色の塗装をしてたせいで間に合わなかっただけだろうが』
ルドルフが髪を弄りながらそう言うが、アレックが呆れたように原因となっていたことを指摘する。金色に自費とはいえ機体を塗っていた為に他の作業が大幅に遅れ、機体が間に合わなかっただけなのだ。
『真に美しいこの僕に相応しい戦場というものがあるのさ。露払いは君達に任せるとするよ』
こいつら配属されたけど、本当に議長推薦なんだろうかとクラウは思ってしまう。少なくともグラスゴーはその筈だが、後の面子に関してはその辺の事は聞いてないので彼は知らない。
自分達で志願したのかもしれないし、議長以外の人事が勝手に選んだのかもしれない。少なくとも馬鹿と頑固な人間だということは確かだろう、とクラウは思っていた。
ついでに言えばグラスゴーのことも馬鹿にしているというよりは単に面倒だから相手にしてないだけである。艦長職についている人間に一々指示したりしてたら、向こうのプライドとか傷つけるだろうという、気遣いとも言えない様な扱いをしているだけに過ぎない。グラスゴーが知ったら余計に怒りを爆発させそうな理由だが。
『さてさて、一体どうなることやら―――』
そう言って笑みを浮かべながらクラウは機体を出撃させた。
◇
「敵MSの出撃を確認。敵は二機だ。各機、作戦通りに―――!?」
『死ね、死ね!ミューディーの仇だ!全員ぶっ殺してやる!!』
スウェンがMS部隊を指揮しているとシャムスの駆るヴェルデバスターが突出してMSを落とそうとする。
「出すぎだぞ、シャムス。お前は下がってダガー部隊と共に艦を―――」
『うるせぇッ、黙ってろ!俺がアイツ等を全員ぶっ殺してやる!』
指示に従うことなく、シャムスのヴェルデバスターはそのまま黒のMSに突撃していく。連続して放たれる砲撃。その射撃の弾幕は一機のMSをそのまま弾幕の網に捉え、食らいつくすかのように思えた。だが、
『遠距離用がわざわざ接近して来ちゃ駄目でしょ』
あっさりとその弾幕を掻い潜り、ヴェルデバスターの目の前に立つ。
『今乗ってるガルバルディβは装甲が薄いからね、躱すかシールドで防ぐしかないんだけど……まあ、じゃ早速お疲れ様っと』
『……クッ!』
シャムス・コーザーはコックピット内で目の前のMSに対して中指を立てる。近づいていたMSはそのままゼロ距離でビームライフルを放ち、ヴェルデバスターを容易く撃墜した。
「くそっ……!」
ストライクノワールを操縦していたスウェンはシャムスが死んだ様子を見て、拳を壁に
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