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至誠一貫
第一部
第三章 〜洛陽篇〜
二十六 〜洛陽へ〜
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する気?」
「一度、皆に諮りたい。その上で、答えるとする」
「やれやれ。時には、独断で物事を進めるのも、主たる者の務めよ?」
「わかっているが。これが、私のやり方なのでな」
「いいわ。ならば今日中に、返事をなさい。それじゃ、私は陣に戻るから」
 華琳とて、暇な身ではない筈だ。
 その合間を縫って来た以上、私も引き留めるつもりはない。
 お互い、成すべき事は山積しているのだからな。

 直ちに、疾風を除く皆を集めた。
「洛陽ですと? 確かに、いずれにせよ歳三殿に呼び出しがあるのは確実ですな」
「せやけど、ウチらの実態は連合軍やしな。総大将の歳っちだけ別行動っちゅう訳にもいかへんで?」
「それに、いくら黄巾党が壊滅したとは言え、まだまだ治安は悪化したまま。ご主人様、曹操殿は他に何か申されていたのですか?」
「いや。それだけだ」
「それでお兄さん、どうするおつもりですかー?」
「本当に行くとなれば、手筈を整えなければなりませんし。勿論、歳三様のお心のままに決めて下さい。私達は、それに従うまでです」
「……恋は、歳三がいいなら、それでいい」
 どうやら、私次第、という結論のようだ。
 華琳の言うように、洛陽を見ておく事は必要だろう。
 それに、会わせたいという人物。
 取るに足らない人物、という事はあり得まい。
「私は、行くつもりでいる。無論、皆で、とは参らぬが」
「御意!」
 愛紗の返事に、全員が頷いた。
「それで、振り分けはどうしましょうか?」
「うむ。まず、愛紗は形式上、公孫賛軍を率いている。これを連れ、北平に戻れ。その上、鈴々と共に晋陽に向かうように。星には、愛紗が戻り次第、洛陽に来るように申し伝える」
「はっ!」
「霞、恋、ねねはそのまま晋陽に戻れ」
「まぁ、ウチらも目的は果たしたんや、一旦月のところに戻らなアカンやろな。恋も、ええな?」
「……わかった」
「ねねは、恋殿とどこまでもご一緒しますぞ!」
「稟と風は、共に参れ。二人の知恵を借りる場も、少なからずあるだろう」
「御意です」
「わかりましたー。お兄さん、疾風ちゃんはどうしましょうか?」
「……その事だが。愛紗、北平まで同行せよ。白蓮に頼み、暫し養生させようと思う」
「は。しかしご主人様、洛陽には二人だけをお連れになるのですか?」
「いや。兵も少しばかり連れて行くつもりだ。如何に華琳と同行とは申せ、多少の備えは必要だろう」
「ほな、ウチらに兵の選抜は任せとき。歳っちには指一本触れさせへん精兵、つけたるからな」
「頼む。その代わり、私は二人を守り抜こう」

「歳三殿。私も、お連れ下さいませ」
 天幕の入り口から、声がした。
「は、疾風? あなた、まだ起きては……」
 剣を杖代わりにしながらも、気丈にも疾風は自力でここ
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