第九章 双月の舞踏会
第六話 揺れる心
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ね。あのシロウがわざわざプレゼントしたんだし。よしっ、やっぱり着ようっと」
ルイズは水兵服、つまりはセーラー服にいそいそと袖を通し始めたのだが、流石に士郎が選んだことだけあって、まるでルイズのために仕立てられた水兵服(セーラー服)のようにピタリと身体に合った。ルイズは水兵服の下を短パンではなくスカートをはいているが、それは士郎が一から作った膝上三センチの特別製で、不用意に動けばその奥に隠された秘密の花園が見えそうな程の短さだ。
ルイズはその丈の短いスカートの端を指で摘み、小首を傾げる。
想像以上に丈が短かったことが恥ずかしかったのか、頬を赤くするルイズからは、活発さと共に健康的な色気が溢れていた。
「どう、かな?」
「まあ、いいんじゃねえか」
デルフリンガーの返事に気を良くしたルイズがくるりと身体を回すと、ふわりとスカートが翻り、その奥に隠れた下着が一瞬覗き―――。
「……黒はまだ早いん―――っごふっ?!」
デルフリンガーが壁に突き刺さった。
「覗いてんじゃないわよ」
「の、覗いてねぇ……」
蹴りつけた後の足を上げた姿のまま、壁に突き刺さった衝撃で揺れ続けるデルフリンガーにルイズは凍えた声で言い放つ。
スカートが短いため、蹴り上げた足の奥に隠された花園が完全に表に現れていた。
デルフリンガーの苦悶の声を耳にしながら、無表情(顔はまだ赤い)のままルイズはゆっくりと足を下ろすと、スカートの端を引っ張り皺を伸ばす。
「これぐらいじゃないとインパクトが弱いのよ」
頬を赤く染めながら腕を組みフンッと鼻を鳴らしたルイズは、壁に突き刺さったまま微動だにしないデルフリンガーに背中を向けた。
「じゃ、わたしイってくるわね」
「おう。武運を祈っとくぜ」
デルフリンガーの声を背中に歩き出したルイズは、一路士郎の部屋に向かう。
そう、今や士郎はルイズの部屋に住んでいない。
騎士となり、貴族の一員となった士郎に対し、学院がルイズの隣の部屋を提供したのだ。
勿論ルイズはそれに反対したのだが、厳正な多数決による賛成多数ということで士郎は隣の部屋に引っ越してしまったのだ。
おかげで最近ルイズは寂しく一人寝ばかりで、たまに寂しさのあまり士郎の部屋に忍び込んでみると、先客がいて喧嘩が始まるなど忙しい? 日々が続いていた。
「―――あ、思い出した」
ルイズがいなくなった部屋の中、取り残されたデルフリンガーがポツリと声を漏らす。
部屋の中に一人(一振り?)壁に突き刺さったままのデルフリンガーは、先程ルイズが水兵服を取り出した時に気になっていたことを思い出した。
「あ〜……そう言やぁ昨日あれをメイドの嬢ちゃんが誰かに渡していたのを見たんだっけ
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