第九章 双月の舞踏会
第六話 揺れる心
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」
「あ、あはは……」
士郎が渋い顔で引きつった笑みを浮かべると、シエスタも乾いた笑いを上げた。
「っぅう! さっさと出て行きなさいよ! シエスタはシロウ付きのメイドだけど、あんたは違うでしょっ! 仕事をほっぽり出してていいのっ!」
「おほほほ、メイド長からはちゃんと許可はとってありますから問題ありませんことよ。ついでに、最近シロウの周りが騒がしいから応援ってことで、暫らくシエスタの補助をすることの許可もね」
「くぅ〜ああ言えばこう言うッッ! 貴族に対する言葉遣いじゃないわよっ! メイド長に言いつけるわよっ!」
「あらあらルイズったら権力を振りかざす気? そっか、自分に自信がないからなのね。まあ仕方がないことよね、その胸じゃ……」
「胸は関係ないわよッ!!」
「あはははは」
「何笑ってるのよっ!!」
ぎゃあぎゃあと言い争う(一方的に揶揄われている)ルイズたちを横目に、士郎は顔に手を当て溜め息をついているシエスタに手を差し出した。
「シロウさん?」
差し出された手を見た後シロウの顔を見上げるシエスタ。
士郎はそんなシエスタに笑いかけ口を開くと、
「ま、よろしく頼む」
「あっ、はい! よろしくお願いします」
ルイズたちが言い争う横で、主従の挨拶を終わらせた。
ルイズは最近悩んでいた。
強敵と思われる二人から何とか引き剥がすことに成功し、無事士郎と共にトリステインに戻ってこれたのだが、帰ってみるとそこには新たな二人の強敵の姿が……。
その内の一人は、何と自分の姉であり、憧れの女性でもある。
憧れの姉であるカトレアが新たに士郎争奪戦に参戦し、他にもジェシカといった男の心理を知り尽くした飲み屋の看板娘も参加するなど、日々争いは激化し。戦力に乏しいルイズにとって厳しい戦いが続いた。
ルイズは考える。
このままではいけない。
何か手を考えなければ負けてしまう、と。
と言うわけで、
「この封印を解く日が来るなんて……」
「勿体ぶってるところ悪いがねぇ、それって効果あるんか?」
ルイズは最近士郎から使ってもらえず不貞腐れていたデルフリンガーを持ち出すと、自分の部屋で作戦会議を開いていた。
会議の内容は、勿論士郎をどうやって自分に夢中にさせるかというものだ。
「ん〜……実はちょっと不安なのよね。これってシロウが以前わたしにプレゼントしてくれた服なんだけど……水兵の服なのよねこれって」
「ふ〜ん。ま、あの相棒がわざわざ買ってきたんだ。何か理由があるんじゃねぇのか? しかし水兵服ねぇ……何か忘れているような」
ルイズがタンスの奥から取り出したのは、以前士郎からプレゼントされた服であった。
「そうよ
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