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スーパーヒーロー戦記
第81話 罠
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まった。
 カプセル内では風力エネルギーが得られない上に徐々に体内のエネルギーが吸収されて行く。
 地面へと降り立った更に二つのカプセル内にて1号と2号もまた徐々に弱まっていくのが見て取れた。
「皆散れ! 固まっていたらこれの餌食になるだけだ!」
 誰かが叫んだ。それが誰なのか確認する暇などなかった。皆が周囲に散らばる。
 固まっていれば自分もまた同じ目に遭うと悟ったからだ。カプセルに閉じ込められ、エネルギーを吸い尽くされた後に、銅の塊へと返られてしまう。
 その後も、続々と上空から、そして地上からカプセルが姿を現す。それらは貪欲に、そして邪悪に無情に残酷に、ヒーロー達を追い詰めていく。
【ハッハッハッハッ、いかがかな? 私の用意したもてなしは? ご堪能頂けたかなぁ?】
 下卑た笑い声が響く。見上げれば其処には見慣れない存在が立っていた。全長は約50メートルはあると思われる。残忍なこの代物を作ったであろう張本人のヒッポリト星人が其処に居た。
「お前か、こんな酷い事をしたのは?」
【酷い? これはアート。言うなれば芸術なのですよ。貴方達ヒーローの断末魔と死ぬ寸前の表情をこうして永遠に飾っておく為のねぇ。既にタイトルは決まっているのですよ。【人類文明の終焉】と言う素晴らしいタイトルがねぇ】
 誰もが背筋に悪寒を感じた。この宇宙人は来るっている。明らかに人の命を何とも思っていない。命を奪う事に一切の躊躇いを感じていないのだ。
「フェイトちゃん!」
 即座に声が響いた。はやてが叫んだのだ。咄嗟にフェイトは上空から迫り来るカプセルを回避した。後少し声が届くのが遅ければ間に合わなかった筈だ。
「あ、危なかった」
 安堵し、地面に降り立った直後、地面から同じ様にカプセルがせり上がって来た。それには対応する事など出来ず、遭えなく捕えられてしまった。
「くっ、こんな物!」
 内側から破ろうとバルディッシュを振るう。しかし、カプセル内は狭く、とてもそれを振り回せる程はない。それに魔力刃を展開させたところでカプセルにエネルギーを吸われてしまい忽ち形態を維持出来ず消失してしまう。
 更に言えば、徐々に体中の力が奪われていく感覚を覚えだす。そうする事でじわじわと苦しめて行き、苦悶の表情の内に銅化させる魂胆なのだろう。
「テスタロッサ、待ってろ! 今それを破る!」
「俺も続くぞ!」
 カプセルを破ろうとシグナムとザフィーラが攻勢に出る。しかし、そんな二人を待ってましたかの如くカプセルが迫る。
「何?」
「かわせ!」
 今度のも頭上から迫るタイプであった。馬鹿正直に何度も同じ手で来たようだが、そんな手に一々引っ掛かる二人じゃない。
 横跳びに回避してそれをやり過ごそうとする。だが、その直後、上空から迫ってきたカプセルが突如真っ二つに分かれ
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