第81話 罠
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は……」
「あぁ、間違いない。だが、何故これがこんな所に?」
有り得ない。そう言いたかったのだ。誰もがそう言いたげな顔をしていた。そう、これはフェイトが使っているバルディッシュとほぼ同じタイプのデバイスだったのだ。
そして、そのデバイスは【第二次日本攻略作戦】の折に大海原にて消息を絶った筈。それが何故此処に。
【マスター、レイジングハートの機能は正常です。尋問が可能です】
「レイジングハート、聞こえる?」
フェイトが問い掛けた。彼女のもそうだが、この手のデバイスは簡単だが意思を持っている。多少の会話や意思の疎通は可能だ。
【はい、聞こえます】
「一体どうして此処に落ちてたの? どうやって此処まで来たの?」
【その質問には答えかねます。私も長い間機能を停止していましたので】
答えは余りにも簡単に返された。長い間機能を停止しており、再起動した際には此処に流れ着いていた。と言いたいのだろう。
しかし、それにしても妙に思えた。意思を持つデバイス。それは敵にとって見れば貴重な情報源だ。それをみすみすこんな場所に置き去りにするだろうか?
これだけ残虐な行為をする敵にとって、敵の情報は喉から手が出る程欲しい筈。それをみすみす放り捨てる筈がない。
まさか……
「フェイト、それを捨てろ! これは罠だ!」
「え?」
気付いた時には既に手遅れだった。フェイトの丁度真上に透明で楕円上のカプセルが姿を現す。
そのカプセルが真っ直ぐに真下へと下がって来た。
「ちっ!」
舌打ちと共にV3が動いた。真下に居たフェイトを突き飛ばして退かす。その直後に、その真下に居たV3にカプセルは覆いかぶさるように降下し、その中にすっぽりと納まってしまった。
「か、風見さん!」
「風見!」
皆の視線がカプセルに捕えられたV3を見る。V3を捕えていたのは薄いかべで作られた透明なカプセルに閉じ込められてしまっていた。
「風見先輩! 出られないんですか?」
「駄目だ、こいつ外見より遥かに硬い! 打撃じゃ到底破れない代物だ! それに、この中は……俺の……エネルギーが……」
徐々にカプセル内にてV3が弱っていくのが見える。どうやらあのカプセル内ではエネルギーを吸収し、完全に息絶えた後にブロンズ化させるのだろう。悪趣味にも程があった。
「一文字! 手を貸してくれ、ダブルライダーキックで破壊するぞ!」
「任せろ! 待ってろよ風見」
1号と2号がそれぞれ合図を送り、飛翔する。ジャンプの際に得た風力エネルギーを身に纏い、それを使ってカプセルを破壊しようと試みたのだろう。
だが、上空に飛んだ二人を出迎えたのは、V3を捕えたのと同じ透明のカプセルであった。
「何!?」
「しまった!」
完全に無防備状態だった二人もまたカプセルに囚われてし
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