第2話 ハム、扱いに困る
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おけばいいと思うんですが、あちらの張飛という方……馬を持っていない以前に身長的に馬に乗れません。」
「あーー……」
「公孫賛殿の親衛隊は弓騎兵ですからね。馬に乗って弓を使えないとなれない。今回は騎馬の機動力が必要不可欠ですから彼女たちがいかに武に優れようとなんの役に立ちません。属長当たりで個人で募集に応じた兵を割り振るしかないですね。趙雲殿の所へ、歩兵の個人応募の兵を送って指揮してもらってもいいなら50人くらいの指揮を任せても良いと思います。せめて、軍隊の指揮経験があるとか言ってくれたら、嘘でもそれなりの兵力を任せられたんですけどね。」
「んっ?田豫は劉備殿が指揮すること自体反対ではないのか?」
「まさか。都尉になれるだけの武才を持つ人物に借りを作れるのはすごくおいしいんです。将来的にも、劉備殿は公孫賛殿になにかあれば恩があるので絶対に助けなければならない恩ができるので。それほど、この国では恩というのは重い。ただ、自分に何ができるか?っていうのを示して貰わなきゃ特別扱いもできないんです。だから、他の人と違う長所とかを示してほしいんですけど、それがないので。」
「では聞くが、劉備殿はどうすればよかったのだ?」
「私は地方を回り、人助けの旅をする際に何度か里の人たちの指揮を任されました。百人規模の指揮経験があり、このたびの戦いでも役に立つ自信があります……という感じですかね。それなら名目もたちます。主簿の自分が戦場にでるくらい逼迫している状態ですから使えるなら使いたいですよ。次にあったら使いましょう。」
「そういえば、天の御遣いというのはいいのか?」
「天人の武と言われている曹仁殿なんてのもいますが、基本的に天を冠する人はいくらでもいますね。王佐の才なんて言われる人が在野に居る時点で皇帝馬鹿にしてますから今更です。まあ、これから天の御遣いなんていって兵を持てば問題でしょうけどね。趙雲さんから見てはどうなんですか?」
「武人ではなさそうだ。」
趙雲はそう断言する。
「では、あの人を少数の兵を率いる立場は危険ですね。もし死んでしまったら劉備殿と仲がこじれるでしょう。」
「んっ?田豫の部隊なら比較的安全では?」
「……僕にあれを押しつけるんですか?冗談じゃないです。上司の友人。さらに上司の言うことを聞かない人を面倒みろと?絶対に指揮に文句つけられますよ。軍の良いところは上の命令が絶対と言うことです。僕がこの年齢で指揮を執れるのも軍という空間だからですよ。それを崩すようなまねをしたくないです。」
「だが、このままだと、そうなるな。公孫賛殿が泣きそうな顔で見てるぞ。」
田豫が公孫賛を見るとどうにかしてくれと目で訴え、趙雲はにやにやとしていた。
「しょうがないですね。
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