暁 〜小説投稿サイト〜
銀色の魔法少女
A's編
第三十一話 奇襲
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side 遼

 冬、圧倒的冬。

 自分に魔力リミッターをかけ、管理局の目をやり過ごす日々。

 今日までに思い返せばいろいろなことがあった。

 海に行ったり、すずかに拉致されたり、地獄の訓練part2があったり、夏休みの宿題に泣かされたり、モフモフなユーノと別れたり、…………あれ、おかしいな、涙が止まらないよぅ。

 …………。

 いや、ちゃんとしろ私! 

 楽しいことも嬉しいこともあったじゃないか!

 フェイトとビデオメールで知り合ったことになったり、いつの間にか増えていたはやての家族さんと遊んだり(主にザフィーラ)、海に行ったり、海に行ったり、、、、、あれ、ダブった?



 と、とにかくいろんなことがあった。

 流石に初夏の頃にあった夜中のスターライトブレイカーには驚いたけど、あれはなんだったのだろう?

 

 まあ、いろいろとさて置き、私は今そのブレイカーの発射地点にいた。

 時間は夜、太陽なんてとっくに沈んでいる。

 私はそこで一人、鍛錬をしていた。

「朱円月!」

 左手で刀を振るいつつ、峰に添えた右手を柄に向けて滑らせながら刀身を押し込んで加速させ、右手に持ち替えて速度を間合いを最大限に高めた状態で斬りつける、焔燃型最終奥義。

 しかし、まだ思うようにはできず、威力は低い。

「天脈気殺!」

 絃魂流の技。指先で相手の秘孔を突き、神経を遮断することでその部分の感覚を奪い動けなくさせる技。

 これは、魔力で指先を強化すればなんとかできるレベル。ないと突き指する。

 けれど、秘孔を探すのが難しい。

「小太刀二刀御神流 奥技之六 薙旋!」

 特訓で覚えた技その一。

 抜刀からの小太刀二刀による四連撃。けっこう使いやすい。

「そして、天翔龍ひゃあ!?」

 飛天御剣流最終奥義を使おうとして盛大に転ぶ私。

「あいたた、やっぱりまだ無理なのかなぁ」

 九頭龍閃もまともに使えないのに張り切って奥義を使うな、ということだろう。

 そう思って散らばった木刀を片付けようとした時だった。

「え!?」

 海鳴市の一部が灰色の結界に包まれる。

 幸い私はその外にいたものの、あそこは、

「なのはの家がある辺りだ!」

 私は急いでクリムに連絡を取る。

『クリム、すぐにこっちに来て! フィリーネは結界の解析よろしく!』

『五秒でいきます!』『任せなさい』

 すると、五秒も経たずに私の横に魔法陣が現れ、クリムが出現する。

「久々の出番なので張り切ってやってきました!」
 
 余計なことは言わなくていい。

「早速だけどユニゾンと、リミッター解除お願い」

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