―決闘は誰の為に―
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遊矢side
現在時刻、午前11時。
俺は、自室の椅子に座り、デッキの調整をしていた。
だが、まったくと言って良い程はかどらない。
原因は分かっている。…当然、昨日のことだ。
明日香が消えて、一日がたった。
まだ、消えたのだと信じられなかったが、いつまでも現実逃避をしていても、何も変わりはしない。
だが、授業に行く気には…どうしてもなれなかった。
十代や万丈目、枕田に浜口にどんな顔をして会えば良いと言うのか?
「自分のせいで、明日香は消えてしまった」
…俺には、そんなことは言えない。
「…くそっ!」
昨日の夜から、何度目になるか分からない声を出し、机に手を叩きつける。
オベリスク・ブルーの自室で、俺はいつまでも後悔をしていた。
耳元には、明日香の最後の言葉が今でも響いている。
「ゆう…ごめ…」
明日香。謝ろうとしたなら、謝らないで欲しい。
むしろ、謝らなくてはいけないのは俺なんだ。
あの時、昇格デュエルの時に、面白がって高田と万丈目をオシリス・レッド寮へと落とさなければ、こんなことにはならなかったのだ。
その時、コン、コンと、扉をノックする音がした。
…ただいま、現在進行形で授業中だから、心配してクロノス教諭あたりが来たのだろうか。
悪いが、居留守をさせてもらおう…
「お〜い、遊矢?いないのか?」
ガチャリ、と音をたてて、俺の部屋の扉が開く。
無許可で。
こんな非常識な真似をする奴は…
「…十代?」
「俺様もいるぞ!」
勝手に俺の部屋の扉を開いたのは、今、ちょうど考えていた、十代と万丈目だった。
十代は、なんだか、わざとらしく俺と目をそらしている。
十代らしくもない。
そんなことを思っていると、十代が口を開いた。
「…明日香のこと、三沢から聞いた。」
…その十代の一言に、俺は一瞬耳を疑った。
三沢が、十代たちに教えたのだと言う。
フリーズした俺を見た十代は、慌ててしゃべりだした。
「いや、遊矢のせいじゃねぇって!悪いのは、全部その高田って奴だろ!?」
「安心しろ、遊矢!次はこの俺、一、十、百、千、万丈目サンダーが、天上院くんを助けてみせよう!」
ようやく、頭が回り始める。
三沢が、後悔する俺に気を使って、俺が言う前に、セブンスターズに関わるみんなに明日香と高田のことを教えてくれたのだろう。
そして、十代と万丈目が俺の部屋に来てくれたのだ。
「…そうだな。二人は、三沢からどこまで聞いたんだ?」
「フン!全て聞いたわ!」
「ええっと…ダークシンクロのことだろ、復讐のことだろ、明日香のことだろ、高田のこ
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