第7話
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一応、グループのリーダーである風間翔一と話した事とか、俺の戦闘スタイルを聞いて握手を求めてきた島津岳人と話した事とか、他にも色々あるのだが割愛する。
……別に、その後に清楚に促されて川神百代に謝罪をした事を思い出したくないからではない。ましてや、川神百代が清楚に向かってセクハラ発言をした事が気に食わないわけでもない。
そんなこんなでイライラしている登校直後の俺を、下駄箱のあたりで偶然会った与一は見てしまった。
「ぅおっ!? どうした柳司! 暴走寸前の眼になってんぞ!」
「……そうか? そう見えるか?」
「い、いいいやなんでもない。俺は先に行くからな! 組織の偵察に気を付けろよ!」
義経たちはいつもの三人で登校しているはずなのだが、どうしてか一人だけで走ってきた与一を、俺の顔は随分と怖がらせてしまったようだ。
やはり俺の悪人顔に更なる悪影響が出てしまっていたか。
それもこれもあのセクハラ武神のせいだ。間違いない。
「……ねぇ、柳司くん。本当に大丈夫?」
「なんでもない。平気だ」
「そう? じゃあ教室に行こっか」
「あぁ」
せめて清楚は怖がらせないようにしなければ。
ヒュームの言葉と日頃の鍛錬を思い出し、俺は心を鎮める事にした。
不機嫌を大っぴらにする事もできないとは、己の顔が恨めしい。
なんとも調子の悪い立ち上がりな朝になった。
しかし、そうして不機嫌だったのもほんの僅かな間だけだ。
今日は3−Sのみんなが俺達に歓迎会を開いてくれるのだとか。
それを聞いてから、俺はずっと上機嫌だった。清楚でもないが、鼻唄でも歌いだしたいくらいには。
「楽しみだね!」
「あぁ。本当に楽しみだ」
「柳司くんもしっかり笑顔に戻ったし、本当によかった」
別にそんなつもりは無いが、俺はマジな笑顔を晒していたらしい。
だが仕方が無い。
新しくできた仲間が、親睦を深めるために何かをしてくれる。それは今までになかった事だ。
「授業に身が入らなくなりそうだな」
「あはは。駄目だよ。ちゃんと真面目にね」
「あぁ、わかってる。でも楽しみだ!」
腹の底から込み上げてきた笑いを顔に浮かべ、俺は何故か顔を赤くした清楚に言葉を返した。
朝にあった忌まわしい出来事を、既に俺は忘れ去っていた。
そして放課後。
俺はもう場所はどこでも気にしない気分だったのだが、クラスメイト達はそれなりの場所を用意してくれたようだ。
学園内は場所を確保するのに時間がかかるという事で、町にある小さな会場の一つを借りたらしい。
「歓迎会といっても大したものではないが、こうも喜んでもらえるとこちらとしても感じ入るものがあるな。彼の期待
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