鍋
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少女に着いて行きながら街を見回す。その少女はどんどん町の中央から離れて行き、スラムと言ったほうがいいような感じの場所にどんどん歩いている。もちろん、こんなところにはモンスターも出ないしそこらへんのMPKの心配は無い。
こんなところに本当に鍋があるのだろうか?いや、それ以前にこんなところに店があるかも疑わしい。この目の前を歩いている少女に何度も聞いているのだが同じように、「来る」とたった二文字のこの言葉をいうだけであった。どうせならもっと口数を増やして欲しいものだ。この沈黙はなんとなく自分にはあっていない。
そして少女は壊れかけのビルの前に来るとようやく足を止めた。
「着いたのか?」
そう言うと少女はこくんと頷く。
着いたといわれてもどこに店があるというのだろうか。周りにはそれなりにNPC入るがほとんどプレイヤーの姿は見えない。周りの建物も倒壊しかけか壊れているものばかりで店を出せそうなところなんて、倒壊した柱などに布をかけて出来た露店ぐらいだ。しかし、それは武器系統、食事のようなものは置いておらずほとんどがポーションなどの回復道具の類だ。
「……その店はどこにあるんだ?」
周りを見回しても露天ぐらいしかないため、その少女に話すが少女は相変わらず何も答えない。しかし、答えはしないがジェスチャーでその店の場所を教えてくれた。店の位置は目の前にある倒壊しかけのビルで何のためらいも無く少女はそのビルの中に入っていった。自分もその後についていく。
ビルの中は外側から見た感じと同じで所々皹が入り壊れそうである。だが、ここはゲームの世界、そんなことは起こることは無い。建物の構造を把握しているのかずかずかと置くに進んでいく少女。その後を追いかけていくと地下に下りていく階段があり、下は上とは違いしっかりとした作りになっていた。
「こんなところもあるのか」
少女の後を歩きながらその階段を下りていく。そして奥のほうには赤い灯りが見えている。そしてそれが何かの店だって言うことはわかる。最後まで降りて行くと現実世界にでもあるような感じの居酒屋のような店になっていた。
「ここ」
「そうだろうな。ここ意外に店ないし」
そして少女は何のためらいも無くがらがらとドアをスライドさせて中に入った。その後に自分もその中に入る。中も完全な居酒屋の感じでカウンターにおっさんのNPCが立っていた。
「らっしゃい」
「鍋」
「わかりやした」
そして少女はカウンター席に座ると同時に目の前にできたての鍋が出てくる。すぐにどこからか取り出したかわからないが小皿と箸を持って鍋を食べ始めた。
その光景を溜め息を吐いてから自分も一つ離れたところに座って飲み物を注文する。すぐに目の前に出てく
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