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少女1人>リリカルマジカル
第三十七話 少年期S
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 まだまだ日中の暑さを感じるものの、 空に浮かぶ雲を見ていると秋に入ったんだなぁ、とちょっと感慨深くなる。今日浮いているのは鰯雲だろうか。うろこ雲にしては大きさが小さいからたぶんそうだろうな。千切れたような細かい雲の群生が空を覆っている。

 なんとなくだけど、こんな風に景色を眺めるのは好きな分類に入る。ふらふらすることで次々と変わっていく様子を楽しむのも、一ヶ所をただじっと眺めて過ごすのも方向性は違うが面白いと俺は思っている。特に秋の空は見ていて楽しい。

 空が高く感じるし、ころころと姿を変えていく。台風は普通に困るが、少しぐらいの天気の崩れなら俺としては全然許容範囲だ。まぁ一番好きな天気は、やっぱり今みたいに雲がかかった晴れ模様なんだけどね。こんな天気だとやる気が出る。秋ってイベントがいっぱいだから、暑すぎず寒すぎずの方がのびのびできるというものだ。

「なぁなぁ、お前らにとって秋のイベントは? って言われたら何を思い浮かべる?」
「読書じゃない?」
「……食欲」
「スポーツだろ」

 定番の3つをありがとう。上からメェーちゃん、少年E、少年Cだ。見事にわかりやすい。

「芸術の秋とかも聞いたことあるよね」
「アリシアは確かにそっちかもな。じゃあ俺は行楽の秋かなー」
「え、俺は……俺に似合う秋ってなんだろう…」
「アレックス、秋は感じて見つけるものだから。自分に当てはめるものじゃないから」

 いつでもどこでも平常運転なツッコミおかん少年B。でも少年Aに思い浮かぶ秋が、俺もなかなか思いつかない。もうさ、変にとがってないことが特徴でいいんじゃね。直接言ったら泣きそうだから言わないけど。

 思えばみんなと最初に出会ったのは、エイカと初めてエンカウントした日と同じだから、もう友達になって1年になるのか。長かったような、短かったような。ヒュードラの事故以降、色々なことが俺の中で1周年記念を迎えている気がする。6歳まで本当に狭いところで生活していたんだなぁ、とちょっとしみじみしてしまった。


 さて、気を取り直して夏休みが終わり、学校が始まって早数日。クラス全員欠席もなく、言っちゃなんだがすごいパワフルである。どこにそんな元気があるの? と俺ですら時々思ってしまうぐらいには。そんなクラスをまとめているのが、意外にも少年Cだったりする。少年Bはどちらかと言えばストッパーな感じだ。

 俺も前に立って先導することはあるけれど、たぶん少年Cの方が上手い。あいつはなんだかんだで表裏がない真っ直ぐな性格だからな。その方向性が色々問題ではあるが、長所であることにかわりはない。だから、俺が夏休み前にもらった所見に『マイペース』と相変わらず書かれていたけど、これも長所と言っていいのだろう。うんうん。

「あ、そろ
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