第三十七話 少年期S
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がいくつも載っていた。どうやらこの魔方陣は召喚用の陣らしく、ミッド式のような円盤でも、ベルカ式のような正三角形に剣十字でもない。正方形型の変わった感じだ。
あと少年Aが不思議そうにしているのも無理はない。召喚魔法は本来中等部に入ってから教わる魔法である。理由としては、危ないとかそれ以前に普通に発動が難しいのだ。さらに召喚魔法を使う使用者が少ない理由に、適正が非常に大きいのもあった。ちょっとしたことには使えても、Stsで登場したキャロさんやルーちゃんレベルの適正はかなり貴重なのだ。
適正がないと習得がかなり難しい魔法であり、使用者の数もそれほど多いわけではない。そのためあまり凡庸性が高くなく、尚且つ発動する術式も難しく、そして魔力も食う。なので教えるのは後回しにされ、中等部から習う魔法となってしまったのだ。
「以上が召喚魔法を使ってみたい、と言った俺に向けてメェーちゃんが言った解説でした」
「メリニスらしいっていうかなんというか…」
「うん」
みんなの中で、メェーちゃんの立ち位置もだいぶ確定されてきたようです。
「それでどうして召喚魔方陣なんて見ているの? もしかして、発動のさせ方がわかるの?」
「いや、さすがにそれは無理だろ少年A」
「……ここからここまでのページの召喚魔法なら」
いけるけど、とポツリと呟かれた言葉に俺とアレックスは固まる。お前何さらりと言っているの。いつも通り無表情すぎて、リアクションがとりづらいんだけど。実は少年Eなりのジョークで笑うべきなのか、本当のことだから驚くべきなのかわからないんですけど。そんな俺たちの様子など気にせず、本人はのほほんとしていた。
「母さんから教えてもらったから」
「……あ、そっか。リトスって確か遺伝的特殊技能持ちだっけ」
「それって前に授業で出てきたやつだよな」
特殊技能とは、先天的か後天的に付属されたスキルのようなものと言われている。俺の持つレアスキルとは分類が少し違い、ある部分に関してすさまじい効力や習得率、適正を発揮するものらしい。
その中で有名なものとしてあげられるのが、遺伝的特殊技能。魔力変換資質だったり、一族特有の魔法のことだったりする。親と同じ魔法が当たり前のように使えたとか、大昔のご先祖様の使っていた魔法の技術を現在に蘇らせたとか。確かキャロさんはもともと一族の人間だったって聞いているし、その一族は遺伝的特殊技能として『召喚魔法』が使えたのだろう。
親の体質が子に受け継がれやすい。もちろんアリシアと母さんのような例があるので、一概には言えないがこれはよく言われることだったりする。今でも学者さんたちが、学会で議論し合っているとは聞いているし。
「なんの技能持ちかは知らなかったけど、もしかして『召喚魔法』の
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