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少女1人>リリカルマジカル
第三十七話 少年期S
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「え、えっ…?」

「……うちのクラス色々染まりすぎてしまったけど大丈夫だろうか」
「君がそれを言うの」

 クラスの掛け声に超困惑しながらも、「じ、じーく・くらこー?」と一生懸命な子どもたちに合わせてくれる担任の先生を巻き込みながら、時間は過ぎていった。



******



「へぇー、やっぱりベルカ式は近接系統が主なんだ」

 俺はクラ校の図書室でパラパラと本を読んでいた。周りには他にも児童が何人かいるが、それぞれ思い思いに過ごしている。現在は選択授業である『古代ベルカ時代の歴史』の時間であり、今日は図書室で資料を見つけ、レポートとして提出するように歴史学の先生に言われていた。

 選択授業では一応学年ごとに課題の量や内容は違ってくるが、習う内容はほとんど同じものとなっている。なので、新入生と高学年が同じ教室で授業を受けるという奇妙な空間が出来上がるのだ。歴史学系は新入生にはあまり人気がない授業なので、かなり人数が少なかったりする。今もそっと首を巡らせてみても、見えるのは高学年ばかりであった。

 そんな環境だから、1人寂しく独り言を言いながら勉強をしています……という訳ではない。ちゃんと話し相手はいるので心配無用だ。

「そうだな。もしミッド式とベルカ式が闘う場合、いかに相手との間合いを掴むかが鍵になってくるというわけだ」
「そうなんだ。あれ? でも確か、昔はベルカ式が主流だったんですよね。そうなると、遠距離で攻撃する手段ってどうしていたんですか? これだと複数の相手と戦うのも難しいんじゃ」
「別に遠距離を攻撃する魔法がなかったわけではないぞ。ベルカ式にも射撃魔法や広域攻撃魔法はある。だが、昔は質量兵器を使った闘いが当たり前だったんだ。射程距離や威力の関係で、遠距離の攻撃は兵器を使うというのが主流になっていただけというわけだ」
「なるほど。だからベルカ式は近接戦に特化していたのか。そして現在は質量兵器が禁止されたこともあって、ベルカ式の使い手は減少してしまったと」

 原作でベルカ式の魔導師が珍しいと言っていた理由がちょっとわかった。今の時代、質量兵器やましてロストロギアを使うことができないため、射程の関係や複数を相手取ることが難しくなった。それ故に、武器を使って個人戦に特化したベルカ式より、遠近とオールラウンド型のミッド式が普及したというわけか。個対個で闘う場面より、複数対複数で戦う場面の方が需要が大きかったのだろう。

 もちろんベルカ式がミッド式に劣っているというわけではない。今だって根強い使用者はいるし、古きベルカの力を現在にも伝えたい、という思いからベルカ式の学校だってちゃんとあるのだから。それにしても、魔法1つ取ってみても歴史の流れというものがあるんだな。必要だからと仕方なし
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