第三十七話 少年期S
[3/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
われることになるから覚えておいてね」
先生からの説明でこの体育祭の規模の大きさを改めて感じた。もちろん学校内だけで体育祭を開くところもあるらしいが、うちの学校のように他校と競い合うところも多いらしい。理由の1つとしては、今回の様にミッド式とベルカ式の交流を図るためという意図もあるようだ。
それに参加人数が多ければ、その分大きな競技内容が開催できる。有名どころとしては、初等部と中等部の高学年で行われる『魔法合戦』だろう。これは兄や姉を持っているクラスメイトから聞いた噂だ。どんな競技なのかはわからないが、かなり派手で一番の見どころだと教えてもらった。
「去年は残念ながらあと1歩だったけれど、今年は私たちが優勝を狙っていきましょう。怪我や無理はダメだけど、本番まで頑張りましょうね」
先生の掛け声にクラス全員で「おぉー!」と元気よく返事を返した。全体のプログラムはまだできていないみたいだが、俺たちが参加する競技は決まっているようだ。だいたい去年と同じような内容らしく、定番のかけっこや表現運動もある。なんだけど、俺は競技内容の1つにどうリアクションを取ればいいのかわからないものがあった。
「……なぁ、少年A。この『ぷにゅぷにゅ競争』ってなんだろう。名前のかわいさの中にどことなく怖さもあるんだが」
「俺もちょっとどういうリアクションをとればいいか悩んでいた」
俺と同じ気持ちを持っている同士がいてくれてよかった。どうやらこの『ぷにゅぷにゅ』なるものはほとんどの児童が知らないようだ。先生もあえてなのか、これがどういうものなのか教えてくれなかった。
「『ぷにゅぷにゅ』は生き物の名前ですよ?」
「さすがは安定のメェーちゃん」
しかし生き物の名前だったのか。新たにできた疑問として、どうしてそんな安直な名前をとは思ったけど。もう少し他に名前はなかったのか。ポ○モンでももう少し捻って……いや、あれも鳴き声とかまんまだったか? 別にわかりやすいから、悪いわけではないんだけどさ。
「しかしそっか。こうなってくると、少女Dと勝負することになるのか」
「確かに彼女なら勝負しようって嬉しそうにいいそうだね。負けず嫌いなところがあるから」
「む、クーちゃんが相手でも負けないよ!」
少年Bからの言葉にアリシアはやる気を出す。それを聞いたクラスメイト達も大きくうなずき、せっかくなので円陣でも組んで意気込みを出そうということになった。先生も一緒にやろうとみんなでお誘いすると、ちょっと恥ずかしそうに頬を掻きながら参加してくれました。そして、円陣発案者である少年Cは胸いっぱいに息を吸い込み、精一杯に声を張り上げた。
「それじゃあいくぞ! 勝利の栄光をわが校に!」
「わが学校に、栄光あれーー!」
『ジーク・クラ校ッ!!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ