第三十七話 少年期S
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そろホームルームが始まりそうな時間だし、席に着いとく?」
「そうだな。おーい、先生がそろそろ来そうだから座っとこうぜー」
少年Cがクラスのみんなに声をかけると、教室でおしゃべりをしていた子たちがうなずき合う。そのまま席に座りに行くあたり、素直な子が多いと思う。その分、俺のちきゅうや布教だったり、少年Cの師匠譲りの宣伝が広く行き渡りやすかったのかもしれないけど。
「皆さん、おはようございます。今日もきちんと席につけていて偉いわね」
担任の先生が教室に入ってくると、みんなできちんと挨拶を返す。『カオスなりに秩序の保たれた不思議な学級』がこのクラスの別名とされているらしい。まぁかなり自由なやつが多いけど、誰も先生を困らせたい訳ではないし、先生も先生で叱ると褒めるを公正にしてくれるから保たれるバランスなんだろうな。
そんな風にどうでもいいことを考えていたら、先生の話が進んでしまっていたらしい。慌てて話に耳を傾けると、どうやら秋の一大イベントの説明に入っていたようだ。そういえば、学校の行事に関しては意外と地球にあったものとかぶりやすい。おかげで想像するのは簡単で助かるんだよな。
「秋といえば、やっぱり運動会か」
少年Cが言っていたスポーツの秋。それはミッドチルダでもしっかり当てはまるらしい。ただ異世界だけあって、競技の内容に魔法を使ったものもあれば、地球と同じような身体能力だけで競うものもあるらしい。俺たち1年生はまだ魔法については座学が主なので、競技自体は魔法なしのものが多い。
初等部と中等部が合体したこの学校は当然参加人数も多く、様々な競技が行われる。なんと2日間という時間を使って競い合うらしい。学校内で赤組とか白組みたいにわかれるのだろうか、と思っていたがどうやら俺の想像を超えた競争相手だったようだ。
「まさか、学校VS学校同士の闘いとは」
「クーちゃんの学校と闘うんだよね」
俺たちが通っているクラ校は、ミッド式の魔法を主軸に置いた学校である。だがもう一つ、ベルカ時代古来の戦闘技術や近接戦を主軸に置いた学校がある。それがミッドの中央区より北に位置しており、少女Dが通っているベルカ式の学校であった。クラ校は管理局に務める割合が多いのに反して、あっちの学校は聖王教会に進路を進める人が多いらしい。
少女Dの場合、彼女の持つデバイスがベルカ式の方が合っているからという理由で、向こうの学校に行ったとは聞いている。彼女自身は教会に就職するとは今は考えていないようだけど。少女Dはさっぱりした性格だから、向こうでも友達を作って楽しんでいると聞いていた。体育祭の時にでも紹介してもらえるだろうか。
「今年の体育祭は私たちの学校で開かれます。毎年開催場所を交代で利用しているため、来年はあちらの学校で行
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