暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
30話:深まる謎
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、あるにはある。
そう思っていると、一瞬二人は顔を見合わせ、最初にクロノが口を開く。

「第一に、闇の書の力はジュエルシードみたいに自由な制御の効くものじゃないんだ」
「完成前も完成後も、純粋な破壊にしか使えない。少なくとも、それ以外に使われたという記録は、一度もないわ」
「あ〜、そっか…」

純粋な破壊…なんでそんなものが存在するのだろうか。そんな目的の為だけに作り上げられた物なら、一々蒐集せずにもっとうまいやり方がなかったのだろうか。

「それからもう一つ、あの騎士達……闇の書の守護騎士達の性質だ」

そしてクロノが続ける。

「彼等は人間でも、使い魔でもない。闇の書に合わせて、魔法技術で作られた擬似人格。主の命令を受けて行動する、ただそれだけの為のプログラムに過ぎないんだ」
「「「っ!?」」」

その言葉に俺となのは、フェイトは言葉を詰まらせる。
魔法技術によって作られた命。いや、クロノの言葉を使うなら『プログラム』。ただ命令を受け、実行するのみ。
その事に、違和感を抱いたとき、隣にいるフェイトが口を開いた。

「あの…人間でも、使い魔でもない擬似生命っていうと……私みたい―――なっ!?」
「言わせねぇよ」

さすがに聞き捨てならない台詞が飛びそうなので、失礼ながらフェイトの頭をチョップする。
フェイトは若干涙目になりながら、頭を抑えてこっちに振り向く。

「い、痛い…」
「痛くしてるんだ。当然の反応だな」

そう言い切ってから、俺は両手でフェイトの頬を挟む。

「お前はもう、俺の言葉を忘れちまったのか?」
「ふぇ…?」
「俺はお前を、“一人の人間”だと言った筈だぞ」
「っ!」

俺の言葉に、頬を挟まれながらフェイトは目を見開く。

「お前は楽しい時に楽しいと、悲しい時に悲しいと思える心がある。俺はそれだけあれば十分、人間だと言える理由だと思うんだけどな」
「………」
「それに…今、痛かったんだよな?」
「……うん…」
「だったら、それでいいじゃないか」

と手をフェイトの頬から放して、笑みを浮かべて言うと、

「……うん…!」

少し頬を赤く染めて、笑顔を返してくる。
なのはも気を遣ってか、フェイトに笑顔を見せる。

「それはそうと、クロノ。詳しく聞きたいんだが」
「あぁ、エイミィ」
「うん、今モニターに映すよ」

と、クロノに指示され何やら操作するエイミィ。すぐに部屋が暗くなり、モニターが現れる。
それに映っていたのは、闇の書らしき物と、シグナム達ヴォルケンリッター。

「守護者達は、闇の書に内蔵されたプログラムが、人の形を取った物。闇の書は、転生と再生を繰り返すけど、この四人はずっと闇の書と共に、様々な主の元を渡り歩いている」

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