暁 〜小説投稿サイト〜
涼宮ハルヒの卒業
涼宮ハルヒの乱れ
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
クイズ大会も無事優勝に終わり、俺は永遠の三年間が回避されたとばかり思っていた。
しかしある日の放課後、ハルヒが帰った後に長門がこんなことを言い出した。
「卒業式の準備をするたびに涼宮ハルヒの心に乱れが出来ている」
「……悪い事か?」
長門は言うだけ言って本に目を落としたので小泉に聞く
「はい、今までとは極端に違います」
なんで笑顔なんだよ
「極端に違う?」
「はい、今まで涼宮さんの心が乱れると涼宮さんは閉鎖空間を作る事で心を正常に戻していました」
「まあ、そうだな」
「しかしここ数日前、正確には永遠の三年間の可能性が疑われた頃から閉鎖空間が出現していないのです」
「……よかったじゃないか、ボランティアのバイトが減って」
小泉は珍しく苦笑いで
「それがそうもいかないんですよ、閉鎖空間を出現させない事で涼宮さんの心は乱れ放題です……これが何を意味するかお分かりですか?」
「世界の終わり、世界の作り直しか?」
「確かにそれも考えられますがそれは大丈夫でしょう、いざという時はあなたがこの世界を気に入ってると言えばいい話です」
「じゃあなんなんだ」
「先日と同じ、永遠の三年間ですよ」
数分の沈黙、俺は頭を整理していた
まとまった考えを、俺は口にする
「それは卒業までにハルヒの心の乱れを正常に戻さないといけないって事か」
「確かにそれも必要です、しかしまた大きく乱れたらどうでしょう」
「卒業直前に乱れを戻せばいい、大きく乱れなければいいんだろ?」
小泉はまた苦笑い
「長門さんは卒業式当日に涼宮さんの心が今までに無いくらい乱れると言っています」
「そう……なのか、長門」
長門は本から俺に視線を移して
「そう」
と言って本に視線を戻す。
俺も長門から小泉に視線を戻した。
「つまり……永遠の三年間を回避出来ないのか? そうだ朝比奈さん」
お茶を入れていた朝比奈さんを見る
「ひゃ、な、なんでしょうか」
「どうにか未来の事を教えて貰えませんか、未来があるならその未来では永遠の三年間を回避、それか脱出したはずです」
「それは……」
「禁則事項なのはわかっています、それでも」
「無理ですよ」
小泉が間に入ってきた
「あの夏の一週間を思い出してください、あの時朝比奈さんは未来と繋がりを遮断されていました」
「じゃあ……」
朝比奈さんを見る
「はい、恐らく今回も未来に連絡はとれません、未来ではその三年間が続いたという記録も、回避した記録もありません」
俺は力なく椅子に座る
「どういう事だ……」
「永遠の三年間が起こったとしてそれを認知出来るのは僕や朝比奈さん、長門さんやあなたと言ったごく僅かです、もしかしたら長門さん以外は気づかないかもしれない」
「じゃあどうにも出来ないの
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ