例えばこんな無人機は悪い奴じゃないから話せば分かるだろ
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傾ける余裕がないのでこっちから回線を切った。
ピットからアリーナ内に飛び出す。その瞬間オウカをビームの嵐が襲った。避けられるものは避け、当たりそうなものは桜花幻影を纏った散華で散らし、一直線にその子のもとへ向かう。
《いやぁ・・・戦いたくなんてない・・・誰か、誰か止めてぇぇぇ!!》
≪「今、止めてあげるからね?」≫
ISに取り付く。俺の脳波の有効範囲はオウカに抑制された状態でも頑張れば半径2メートル前後まで広げられる。つまり、俺がその範囲まで近づいた瞬間、この子は自立性を有する。どんな操縦者がパートナーなのか知らないが、これでこの子は戦わなくて済むはずだ。
《あっ・・・んっ・・・はぁ・・・》
伝わってきた悲しみと苦しみのイメージが急激に和らいでいく。外野が何か言っているが耳に入らない。
オウカからメッセージが伝わってくる。このISには操縦者がいない。中に詰まっている機械とISコア本体に無理やりねじ込まれた不純物のせいでこの子が苦しんでいたのだという。不純物を取り除けば詰まった機械はもう放っておいていい、とのこと。早速コアとリンクしてもらい、得たデータを基に八紘一宇で不純物を強制排除するプログラムを組む。直接コアをどうこうする技術はないので半ばコンピュータウィルスみたいなプログラムで無理やり吐かせるという荒業だ。
結果上手くいったのか、この子は小さく《あったかい・・・あり、が、と・・・》と言い残して休止状態になった。良かった、苦しみからは解放されたようだ。
これにて一件落着!めでたしめでたし・・・
とはいかなかった。そりゃそうだ。俺は教師の言いつけをガン無視して無断でISを展開し、傍から見れば無謀な突進を仕掛けた挙句よく分からんことをして未確認ISを停止させたのだから。
この子――名前は空から降ってきたからウツホにしよう――が寝付いたと同時におりむーと鈴音さんが駆け寄ってきて質問攻め、そうこうしている間に3人纏めて織斑先生に連行されこってり絞られた。ついでに俺は守秘義務をもう少し守れと口を酸っぱくして言われた。やはりペラペラ喋りすぎたのだろうか。
揚句ジェーンさんにあっちょんぷりけ食らった。「あまり私を心配させんな」だそうだ。ごめんなさい・・・
更に箒ちゃんに右の頬をビンタされ、セシリアに左の頬をビンタされ、鈴音さんからは拳骨を食らってあまつさえおりむーにもでこピンを食らった。顔いてぇ。みんな俺の突然の行動に本気で心配したらしい。本当にごめんなさい・・・一緒にオウカも《ごめんなさい・・・》と謝ってくれた。お前は本当にいい子だよ・・・ぐすん。
ついでに鈴音さんと箒さんから「さん付けは止めろ」と言われた。せめてちゃん付けに、と言われたので箒さんは箒ちゃん
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