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銀色の魔法少女
第三十話 変化
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 懐からため息が聞こえた気がしたが、俺は気にしない。

 偽騎士とのシュミレーションで強くなった俺には、敵なんていない。





 そう思っていた時期もありました。




side 遼

 放課後、私は屋上に来ていた。

「…………帰っていい?」

 目の前に倒れているのはいつもの人。

 名前は剣だったかな? よく覚えてない。

 ここまでのあらすじを簡単に言うと。


 呼び出される→何か言われる(よく聞いてない)→急にデバイスを展開して襲いかかってくる

 →かなり遅かったので、神速を使うまでもなく、飛花落葉で沈めてみる

 →現在。


 うん、まったくわからない。

(いや、私が聞いてないのも悪いけど、あの人の話ってだいたい意味不明だし)

「……………………」

 へんじがない、ただのしかばねのようだ。

 只の屍には用はないので、すぐに帰ろうと踵を返す。けど、

「…………えぇ」

 足を掴まれて動けなくなり、別の声が聞こえる。

『どうやら主がまともに呼吸できないようなので、私が代りに話します』

「……て早くお願い」

『初めに、なぜあなたは主の邪魔をするのですか? あなたがいなければすずか嬢は主のものだったの――』

 私は最後まで聞かなかった。

 掴まれている足を上げ、そのままコイツの頭の上に落とす。

「くげぇぶ!」

 奇妙な音が、辺に響く。

「本気で言ってるなら二、三回生まれ変わってから出直してきなさい」

 若干、頭蓋骨が凹んだかもしれないが、気にしない。これでも手加減してる。

『では次ですが、どうして正体を隠すのです? そのまま伝えたらよろしいのに、
 これは私の意見ですが、そうすればなのは嬢とフェイト嬢の好感度は鰻登り』

「いやよ、そんなことのためにやってるわけじゃないもの」

 それにクリムのことは話せない。あと恥ずかしい。

『そうですか、では最後に』

「お前は一体何なんだ!」

 顔を急に上げ、私を見上げる。

 のせていた足が急にあがり、私はバランスを崩しそうになった。

目的(ハーレム願望)もないのにすずかをおとし、やっと追いつけるようになったらまた更に速くなってるし、それに好感度上げをそんなこと! お前は何がしたいんだ!」

 そう言われ、私は確信する。

 最初から感じていた微妙な違和感。

 レイも、この前のあいつも、同じような感じだった。

「ああ、そういうこと」

 そして、なんで私に記憶がないのかもわかった。

 なるほど、確かにそれなら納得がいく。

(しかし、我ながら思い切ったことをした
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