22話
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
抗争寸前の不良集団のリーダーが顔を合わせることは緊張感漂う光景だった。
どちらも腕が立ちそうな雰囲気を持っており、赤いほうは無傷の人員を増やしていることから仲間がボコボコにされた敵討ちに来るかも知れない。
そう身構えていた支援課だったが、両チームのリーダーが最初にやったことは部下の統制だった。
先走るなと言ったろ、命令が聞けないのかと凄むと不良たちは萎縮して、どうやらさっきの喧嘩は止めるリーダーの命令無視で勝手に始めたことであり謝罪して従っていた。
青頭巾の連中は一声であっさり従ったが赤ジャージのほうは声がデカイ幹部ががなりたてて、こっちに聞こえるようにリーダーに従わせていた。
それが済むとお互いのリーダーは進み出た。
「相変わらず気色の悪い格好の連中だな。舎弟にそんな格好させてどこぞの宗教家気取りか?」
「みんな僕に憧れてやってるだけで強制してるわけじゃないよ。そっちこそ手下に当り散らしてばかりだとお山の大将だってことが知れるよ?」
お互いに薄笑いを受かべて挑発しあう二人の間には表面上険悪に見えたが、さっきまでの不良集団同士が持っていた軽蔑や敵対心などなくどことなく相手への敬意が内在して言葉の調子に棘がなかった。
これは手下たちが先走っただけでさっきの様子からリーダーがちゃんと止めてるのでこれ以上の喧嘩は起こらないかなと思うと二人の視線がこちらに向いた。
「それで、君たちが警察だってことだけど本当?とてもそうは見えないよ」
「そこの赤毛はガタイも良いしそこそこやりそうだが、茶髪や上玉の姉ちゃんはとても警察に見えねえなあ」
ランディとエリィがそりゃどうもと軽く流しつつ、何の言及もなかったティオは無言で睨んだ。
「“特務支援課”発足されたばかりの新部署に所属している、新人だが全員れっきとした警察の人間だ。」
リーダー二人に応対したロイドは警察学校を卒業したのは自分だけとかティオが出向身分であるとか細かい事情は説明せず警察官ではなく警察の人間だと曖昧に一括りにした。
だが、青頭巾のリーダーは、ああ、と思い至ると馬鹿にしたように皮肉っぽく笑った。
「クロスベルタイムズに載っていたアレね」
「うっ」
支援課全員がまずいと渋い顔をして支援課とまでは名乗る必要はなかったと後悔した。
「タイムズに載ってただぁ?こいつら何かやったのか?」
「ああ、ギルドのかませ犬として大活躍だったみたいだよ。いや、ゴメンゴメン。一応少しは役立ったんだっけ?」
この説明にさっき叩きのめした不良たちの眼の色が変わる。
本当に警察だったのか。遊撃士の噛ませって、もしかしてそんなに強くないのか。
ついさっきボコボコにやられて戦意喪失していた不良たちは遊撃士より弱いと知ると精神的に立ち
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ