暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第一部
それぞれのマスターたち
選択の意思
[1/7]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
「今のっ……」
「女の悲鳴だったな」
「ちょっ、士郎!?」
俺と凛を無視して階段へと駆け出した。
よっぽど気になるのか、脇目も振らずに走り去る。
「あーあ。どうすんだ、続きやるか?」
「そんなことやってる場合じゃないでしょっ! 私たちも行くわよ!」
続いて凛も悲鳴の元へ向かった。
取り残された俺は一人、大きく深呼吸をし嘆息する。
せっかく盛り上がってきていたというのに興醒めだ。
わざわざ
遊んでいた
(
・・・・・
)
のが無駄になる。
「仕方ないな。いや、まだそうとも限らないか……?」
考えていても埒が明かない。
廊下で孤独に黄昏ていてもしょうがないし。
気乗りはしないが、俺も二人の後を追うことにする。
「どうだ、凛」
「ダメ、かなり抜かれてる。持ち直せるかどうかはこの子次第…………」
一階に降り、今は悲鳴の主であろう女子生徒の応急処置の最中。
昨日の美綴と同じように、中身が抜かれてしまっている。
それもあのとき以上の、瀕死になるほどの衰弱状態だ。
ライフドレイン。
人間から魔力喰らい、生気吸収をするサーヴァント。
これが何者かによる仕業なら、恐らくライダーが近くにいる。
主な治癒は凛に任せ、俺はフォローをしつつ周囲に気を配る。
中途半端にして置いていったのは、本当の獲物を誘き寄せるためだろう。
これはよくある狩猟方法だ。
瀕死にした獲物に助けを呼ばせ、それを餌にまんまと呼び寄せられた新たな獲物を更に狩り殺す。
この場合は餌が女子生徒、誘き出された獲物が俺たちだ。
(非常口が開いてるのはそこから逃げたのか? けどフェイクだとしたら、どこから仕掛けてくるかわからない)
五感を鋭敏にして知覚領域を広げる。
全域警戒は得意ではないが、一定範囲内ならできないこともない。
そうして幾許かの後、俺の知覚領域内に異物が入り込んだのを感知した。
(マズイッ……その方向からだと…………!)
非常口の隙間から、牙が飛来する。
凛を挟んだ俺の反対側に当たるその位置から、彼女の顔を目掛けて。
(間に合わないッ!)
高速で飛翔する鉄杭によって、凛の頭蓋は吹き飛ぶだろう。
伸ばす手は届かないまま、俺の耳にはぞぶり、と肉を抉る音が響いた。
血が滴る。突き破られた肉が弾ける。
俺に防げない場所から飛来した鉄杭は──────凛の顔から少し離れた位置で、士郎の腕によって防がれていた。
「く──はぁっ、マジで焦った! つか、士郎っ!」
「衛宮くん、腕、うでに穴空いてる────ううんそれより、いた、痛くないの……?」
「痛い。
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ