暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第一部
それぞれのマスターたち
選択の意思
[5/7]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
サーヴァントの強制召喚。
しかし考える猶予など数秒もなく。
「ではまず、間違ったその目から────」
「別に士郎は間違っちゃいないだろ」
雑木林に響く声。
光弾と雷撃が迸るのと、ライダーが飛び退くのは紙一重の差だった。
紫電が彼女の髪先に触れて消える。
やはり低位魔術では対魔術によって掻き消されるな。
「────────」
「今日は逃がさねぇぞ」
「ッ!」
「お久しぶり、ライダー?」
飛び退いた勢いのままに離脱しようとするが、回り込ませていたフェンサーが行かせない。
挟撃は兵法の基本。
俺だけならこちらを突破できるだろうが、それだとフェンサーに背を向けることになる。
サーヴァントに背を向けるか、人間の魔術師に背を向けるかを取るなら、間違いなく無視するべきはマスターの方だ。
「マスターを狙うのは効率的だが……マスターしか狙わないのは、他のサーヴァントに勝つ自信がねぇからか?」
「………………」
「いや違うな。現に俺も士郎も仕留められてないんだから、オマエもたかが知れてるってことだよな」
背中しか見えていないというのに、こちらに向けられている敵意を感じる。
彼女自身にも思うところがあるのか、俺の言い分が気に入らないらしい。
そりゃあ神話に謳われし英霊が人間ごときに扱き下ろされれば、気に食わないのも当然だ。
彼、彼女らからすれば、格下なのは確実に俺たちの側なのだから。
「士郎、黎慈!」
凛が駆けてくる。どうやら追い付いたようだ。
士郎も腕の鉄杭を引き抜き、こちらに走り寄る。
「テメェら手を出すなよ。コイツは俺とフェンサーのモンだ。凛、安全域まで士郎を連れて退け」
「何言ってんだ! おまえ一人置いていけるわけないだろ!?」
「ちょっと上手くいったからって、自分が対等にやり合えると思うんじゃねぇぞ士郎。怪我したオマエと魔力を消耗してる凛が居ても仕方ないだろ。
今からサーヴァントを呼んだとしてもコイツは俺の獲物だ、やらねぇぞ」
睨み付けて言い放った。
あの日の夜から、ライダーには借りがある。
今日まで引っ張る羽目になってしまったが、ここで決着をつけてやる。
フェンサーが居るなら勝負条件は対等だ。
後はどちらが上かを証明するだけでいい。
「士郎、間違えるなよ。俺たちは敵同士だ。利害の一致から協力し合うことはあっても、見返り無しに助け合うことなんて絶対にない。
この状況でテメェらは邪魔だ。どっかに消えてろ」
「だけど……!」
「行くわよ士郎。黎慈の言い分が正しいのはわかるでしょ。
私を庇った傷を負ったまま戦って、片腕にでもなられたら寝覚めが悪いの
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ