第二十二話 泥沼の終局
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実際、冷静に見つめるとアークエンジェルの戦力は決して多くない。実質的に艦一隻とMSは非戦闘員に近いカガリのストライクルージュを含めても三機しかいないのだ。一応はスカイグラスパーなどの戦闘機も存在するがMSが主力となった今では役不足はいなめない。
獅子奮迅、一騎当千の活躍をすることが出来るフリーダムがいるとはいえ、それほどの活躍を行える機体が一機しかいない以上、長期的な戦闘を行うのは難しい。何故なら―――
「オーブ軍、イージス艦よりミサイル多数射出。目標は本艦です!」
攻め手に転じているフリーダムが抑えられてしまえば艦は無防備な存在となる。アークエンジェルは優秀な戦艦ではあるが、戦艦だけで戦闘が行えるなら誰も戦闘機やMSといった兵器を造ることはない。
アークエンジェルにはせめて攻撃のフリーダムともう一機、艦の防衛に当たれる機体がいなくては話にならない。その役を買っていたのはバルトフェルドのムラサメだがその機体も今は撤退している。
「回避!そのまま水中に潜り込んで!」
「ミサイルだけならイーゲルシュテルンで落とせますよ?」
そうやって具申しつつも艦は潜水行動に移る。水中に入り込んだ直後、海面が想像して以上の範囲で攻撃に晒された。
「ミネルバがああなった理由を考えると何らかの特殊弾を使った可能性が高いわ。だったら、こちらに対してもそうしてこないとは限らないでしょう?」
マリューは軍属の、それも艦長職にいた経験と、一時とはいえオーブの技術関係者だったことから彼女はオーブの手を読みうまく回避した。
とはいえ潜水したからといってこちらから攻撃することは出来ない。下手に攻撃をすればオーブの艦が沈むだろう。止めに来たというのにそれでは本末転倒だ。
「やれやれ、オーブ軍もこっちを厄介者扱いすることにしたようだね」
後ろからドアが開き包帯を頭に巻いているバルトフェルドがやってくる。
「バルトフェルドさん!その怪我は!?」
撃墜されかかったことは聞いているが、怪我をしたなどという報告を受けていなかったマリューはその様子を見て驚きの表情を見せる。
「いやぁ、今のザフトのエースも油断なら無いね。元とはいえ同じザフトのエースの俺をこうもあっさりと追い詰めるんだから」
苦笑いながらそう答えるが、実際今の状況が不味いことは理解している。
「撤退も視野に入れるべきかねぇ?」
「私達がそう決めてもカガリさんが素直に頷いてくれるかは分からないわ」
潜水した以上、敵艦が攻撃するには距離を詰めての対潜水ミサイルか、MSによる攻撃、後は魚雷くらいしか存在しない。オーブ軍はそういった兵器が無いわけではないのだろうが、攻撃するにしても時間が掛かることは間違いない。
その間にマリュー達は今からどうするかを
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