第二十二話 泥沼の終局
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ない。アークエンジェルも水中を潜水している。キラも水中で身動きが取れないとしてもカガリが連れて行けるはずだ。
『これで……これで良いんだ―――』
キラもカガリもあの場ではああするしかない。今は敵で、放って置けばミネルバが沈むかもしれないのだから。
その後の戦いは最早消化試合と言えただろう。盤面はアークエンジェルに固執したオーブ軍と初めから両方を相手取っていたミネルバだ。アークエンジェルの部隊が正面から戦えなくなった以上、ミネルバの攻撃対象はオーブ軍に絞られる。
オーブはミネルバや水中からのマーレの攻撃、インパルスやセイバーからの攻撃に晒され、結果的に護衛艦四隻を完全に失い、一隻も自走不能、一隻は中破、空母タケミカヅチも殆ど戦闘能力を奪われていた。無事だったのは最も後方に待機していた連合の母艦位だ。
『全機、帰還しました。敵艦隊、撤退していきます』
『そう、何とか撃退できたって所かしら……とはいえ、こちらも相当消耗したわね』
大破したショーン機を含め、損傷のない機体など存在しない。ミネルバも近くの港で補給を受けざる得ない事になった。
◇
「つまり、こちらはまんまと相手の策に乗せられたっていうわけね……」
戦闘が終了し、撤退したアークエンジェルクルーも現状に溜息をつかざる得なかった。
オーブ艦隊の居る所まで引き寄せられ、オーブ艦隊に注目を集めたのだ。その間を利用されオーブ艦隊は壊滅的な被害を受けた。早い話がそういうことだった。
しかし、一部の海に撃ち捨てられたムラサメやアストレイのMS隊を少数のみだが回収することはできた。
「あなた達は、私達に賛同してくれると?」
機体こそ損傷しているのも多かったが修理すれば使える機体もある。そんな中、乗っていたパイロットの彼等は自分達の意思でアークエンジェルを支援することを了承していた。
「我等はオーブの理念を信奉したからこそ軍に身を置いたオーブの軍人です!ならばその真実のオーブのためにこそ戦いたい!難しいことは承知しております。だからこそ我等もカガリ様と!この艦と共にと!」
彼等は自分たちの意思を持って参加すると発言した。彼等にはどちらの主張が正しいかを自分達で見つけようとしてる。故に彼等は自分達の信じた代表についていくと至った。
「その、ありがとう―――色々と至らない身だが全力を尽くさせてもらう!」
カガリはまだ自分を信じてくれる仲間達のためにそう言った。
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