第二十二話 泥沼の終局
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たセイバーは再びフリーダムと戦闘を再開するが、お互いにビームライフルもシールドも失い、互いにサーベルを二本抜いた状態で回避しながら攻撃を仕掛けていく。どちらも致命打は一向に受けず、千日手となっていた。
『撃ってきた人間に銃を構えるなと、そんな無抵抗なことをして撃たれろと、そうしろって言うのか!』
『違う、他にやり方だって!』
『だったら、お前達が国に、オーブに帰ることこそが最善だっただろうに!!』
セイバーのサーベルが遂にフリーダムの片腕を捉えた。元々守るべきカガリに意識を向けながら戦い、オーブへと気を逸らし、予想外の強さを発揮していたインパルス、そしてアークエンジェルへの攻撃―――それら総てに僅かとはいえ意識を向けていた以上、如何にキラであってもアスランを相手取ることは出来ない。
『しまった!?』
『これで終わりにするか、続けるか?』
ビームサーベルを正面に突き出し、キラに下がるように呼びかける。頼む、下がってくれと。これ以上抵抗するって言えば俺はお前を討たなくちゃいけなくなるんだと。
『そんなこと、君が決めることじゃない!』
残った片腕の持つサーベルでフリーダムは切り裂こうとしてくる。だが、セイバーはあらかじめ構え、二本持っていた。それが示すことはつまり、
『この馬鹿野郎!』
セイバーによって残っていた片腕も切り裂かれる。セイバーも同様に片腕を切り裂かれたが、そのままセイバーは蹴りを放ち、フリーダムは海面に衝突した。
『キラ!?』
カガリがキラを案じて叫ぶ。アスランは思わず顔を逸らしたくなるが自らが行った行動は間違っていないはずだと、そう考えるしかない。
『カガリ、もう下がるんだ。今の君じゃオーブは止められないんだ!』
『アス、ラン……でも、私は…それでもッ……!』
散っていくオーブ軍を目にしながら涙を流すカガリにアスランは説得を行う。せめて、本当に守りたいと思ってるなら、ここは我慢して退いてくれと。ここでこのままいれば今度はカガリまで撃たないといけなくなる。いや、アスランが撃たずとも他の誰かが撃つのだ。守護者であるキラがいなくなってしまった以上。
『カガリ、下がってくれ!頼む―――君は戦場に出るべき人間じゃないんだ!?』
彼女の立場は軍人ではなく政治家だ。だからこそ、こんなところに居て良い訳がないのだ。
『ここは、君の居て良い場所じゃないんだ!』
次の瞬間、アスランはカガリの乗るストライクルージュのエールパックを切り裂く。カガリは突然の不意打ちにどうすることも出来ず落下していった。
『アスランッ!?』
無抵抗だったカガリはそのまま海面に向かって落ちていく。アスランはこれでいいと思う。海中に入れば少なくとも砲撃に曝される事は
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