第九章 双月の舞踏会
第五話 変わる日常
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が、カトレアたちにそれが間違いではないか確かめるために口を開いた。
「面接した相手って、もしかして―――」
「「オールド・オスマンです」よ」
「あ〜……やっぱり」
二人は文句なしの美人である。
柔らかな印象を受けるカトレアは、包み込むような包容力を感じさせる暖かな魅力に溢れる妙齢の美女であり。
また、何時も笑顔を絶やさないジェシカも、人気のお店の看板娘の言葉に偽りがないメリハリの効いた体つきに猫のようなしなやかさと奔放さを感じさせる性格の美少女である。
女好きのオスマン氏が二人を不合格にするなど考えられない。
これからのことを思い、士郎は痛む頭を両手で抑え溜め息を吐く。すると、カトレアとジェシカはそんな士郎に向けて本当に嬉しそうな顔で笑いかけると、ぺこりと頭を下げた。
「これからよろしくお願いしますねシロウさん」
「色々とお世話してあげるわよ。楽しみにしててねシロウ」
その挨拶を切っ掛けに、士郎を囲んでいたルイズという爆弾は爆発することになった。憧れている姉が士郎を巡る恋の戦いに本格参戦したことにより爆発したルイズの驚愕というか怒りというか……そういったもろもろの感情は凄まじく。何とかその時は無事に広場から逃げ出せた士郎だったが、カトレアの参戦による危機感からか? その後のルイズの様々な行動は日々過激さを増すことになっていった。
「そう言えば、『丁度いいと思った』とか言っていたが、何が丁度よかったんだ?」
「うふふ、それはですね」
「んふふ、 ああ、それはね」
ルイズたちのお仕置きと言う名の処刑から何とか逃げ出した士郎は、何故か一緒についてきたカトレアとジェシカに先程から疑問に思ったことを問いかけると、
「「もちろんシロウ」さんに会うのに、ですよ」
二人はにっこりと悪戯っぽい笑みを浮かべた。
カトレアとジェシカが魔法学院に来たおかげで、今でも結構ぎりぎりだったりする士郎に対するお仕置が一つずつステージが上がってしまった。
どうステージが上がったのかと具体的に言えば、今までは最低でも魔法か鞭のどちらか一つだったのが、問答無用で魔法と鞭によるフルコースへと変化することに……。
とは言え、士郎にとってそれはそこまで大きな問題ではなかった。
何故ならば……文字通り地獄と紙一重の拷問じみたお仕置きの経験のある士郎にとって、今更魔法と鞭なんて……だから本当に問題はないのだ。
では何が問題だったのかというと、それは士郎たちが学院に帰ってくる少し前に広まりだした噂が問題だった。
七万の軍を打倒したという話と共に広まったのは、アンリエッタが新たに設立した騎士隊の隊長に士郎が任命されたというもので、それが学院内を駆け巡ったのだ。
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