第九章 双月の舞踏会
第五話 変わる日常
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のよ!?」
士郎とルイズが驚愕の声を上げると、カトレアとジェシカは人ごみの中からその姿を現した。
「お久しぶりですシロウさん。びっくりしましたか? 実はわたし教師になったんです」
「あたしは見ての通りメイドよメイド。どう? 似合う?」
士郎の目の前まで来たカトレアは、小首を傾げながらにっこりと微笑み。
その隣に立つジェシカは、メイド服の裾を掴むと、その場でくるりと回って見せた後、頬を微かに赤く染めた照れ笑いを士郎に向けた。
「いや、教師って? それにメイドって? いいのか? ヴァリエール公爵は何も言わなかったのか? スカロンは?」
士郎はカトレアとジェシカの顔を代わる代わる見ながら問い詰める。
カトレアとジェシカの二人は互いに顔を見合わせると、そんな士郎に対し含みを持たせた笑みを返した。
「わたしは名目上とはいえ、ラ・フォンティーヌ家の当主ですので、例えお父さまが駄目だと言っても聞く必要はありませんから」
「あたしは特に反対はされなかったわね。それどころかシロウのところに行きたいって言ったら、色々と準備を手伝ってくれたぐらいよ」
うふふ、あははと朗らかに笑う二人の姿に、士郎は顔を手で覆うと苦い顔を浮かべた。
特にヴァリエール公爵のことを考えると、頭がぎりぎりと万力で挟まれるような痛みが走った気がする。
だが、まあしかし、まず確認を取らなければいけないことがあると士郎は直ぐに思い直す。
「はぁ、まあいい。それよりもカトレア。身体の方は大丈夫なのか?」
そう、言葉通りの箱入り娘であるカトレアが、何故ヴァリエール公爵領から一歩も外に出たことがないのかは理由がある。それは原因不明の奇病を患っており、身体が弱く何時倒れるか分からないからだ。
一応それに対するお守りは渡しているのだが、あれが効果を発揮しているのかは分からない。
そんな心配を含んだ士郎の声に、カトレアは満面の笑みで返した。
「はい。もちろん大丈夫です。シロウさんのおかげで、ね」
そう言うと、カトレアはチラリと士郎にだけ見えるように、刀の柄を服の中から取り出してみせた。
「そうか。問題がないならいいんだが、しかし何故教師に? ジェシカもどうしてメイドになっているんだ?」
「魔法学院の教師の人数が足りないと言う話を小耳に挟んだので、丁度いいと思って面接を受けに行ったら直ぐに採用されたんです」
「あたしも似たようなものね。学院のメイドの募集を客から聞いて、で、丁度いいなと思って面接を受けたら直ぐに採用されたのよ」
事前に話を通さずに、殆んど押しかけるような形で面接を受けたというのにも関わらず、直ぐに採用されたことに二人が不思議そうに首を傾げる。その話を聞いてある確信を得た士郎
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