第九章 双月の舞踏会
第五話 変わる日常
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っ! もう直ぐ朝食の準備を始めないといけないのよ」
ルイズとシエスタは顔を赤くして声を荒げたが、
「「でも少しぐらい」」
こほんと、一つ咳払いをすると、てくてくと士郎に近づきえいやっと抱きついた。
「はぁ、もう勘弁してくれ」
前後左右をルイズたちに抱きつかれ、身動きがとれなくなった士郎が手で顔を隠して天を仰ぎ見る。
空には細々とした雲がゆらゆらと風に揺られて漂い、とても気持ちよさそうだ。
「ん〜、やっぱりなかなかいいわね。この硬さが丁度いいというか」
「そうね、あの子達のふかふかでやわやわなところもいいけど、シロウさんのこの硬さも何だかホッとして良いわね」
「あ、それで思い出しましたがミス・フォンティーヌ。午後にお部屋の掃除をしますので、ペットを外に出しておいてくださいませんか」
「あ、はい分かりました」
「それとお部屋のペットですが、何時の間にか増えていませんか? 昨日何かでかいモグラのようなものを見たような」
「あ、それあたしも見たわ、っていうかアレ確かギーシュっていう貴族の使い魔じゃない? えっとヴぇ、ヴぇ……何だっけ?」
「ヴェルダンデよ。最近ギーシュがいないいないって探してたけど、ちいねえさまの部屋に入り浸っていたのね」
「あの宝石が大好きな子はヴェルダンデって言う名前なのね。そう、ギーシュくんの使い魔なのね。そう言えば最近見かけない子が増えてて、もしかしてその子達も生徒の使い魔なのかしら?」
「十中八九そうです。部屋もそんなに大きなところじゃないんですから、追い出したりしないんですか? 屋敷から連れてきた動物たちと喧嘩とかも?」
「大丈夫よ。わたしが喧嘩はダメよって言ったら、みんなちゃんと聞いてくれるから。それに狭くなったら自分から出ていきますからね」
「流石ですちいねえさま」
「……俺は井土じゃないぞ。井戸端会議は別の場所でやってくれ」
自分の身体に抱きついた姿勢で普通に世間話を始めるルイズたちに、士郎は早朝訓練の十倍以上の疲労を感じ、疲れた溜め息を吐く。
「あ〜ちょっとそれは勿体無いかな?」
「そうですね。学院に戻ったらそうそう近づけないですし」
「そうね。今はいいけどここにロングビルとかキュルケが参入してきたら……」
「あっ! わたしいいこと思いついちゃった。ねぇねぇこんなのどうかしら?」
士郎の注意にルイズたちは名残惜しげにぶつぶつと文句を呟いていると、カトレアが唐突にぱあっ! と顔を輝かせた。
カトレアは意味ありげに士郎をチラリと見上げた後、ルイズたちに顔を寄せるとこしょこしょと小さな声で話し出す。
「へ〜……なかなかいいわね。いいわよ、あたしは乗った」
「うん。時間はまだあるし。わたしもいいですよ」
「わたしも賛成。ゆ
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