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剣の丘に花は咲く 
第九章 双月の舞踏会
第五話 変わる日常
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 問題というのが、その噂を耳にした生徒たちが入団を申し込みに殺到しにきたことだった。
 確かにアンリエッタから受け取った任命状には似たようなことは書かれてはいたが、士郎自身はそんな騎士隊の隊長になった覚えなど全くなく。押し寄せる入団希望者の全てを士郎は断ったのだが、七万の軍勢を破った男が隊長で、しかも女王陛下が直々に新たに設立したと言われる近衛隊である。そう簡単に諦める生徒は全くと言っていいほどいなかった。おかげで学院を歩く毎に生徒たちが背中に張り付き大名行列が出来る始末。
 そんなことが続けば学院から文句が出るのも仕方がないことで、そうこうしているうちに士郎はオスマン氏から呼び出され「どうにかしろ」と言われてしまう。
 と言うわけで、言っても聞かない相手には身体で分からせるしかないと考え、士郎は一人につき一回だけ受けられる試験を入団希望者に受けさせることにした。もちろん試験は一度落ちたら二度と受けられないといものであり、試験内容は生徒たちが抵抗感を感じさせないように十分間自分と戦って気絶しなかったなら合格といっものだったのだが……。
 十分と言うのは、生徒たちがの実力を考えた結果、確実に問題がないという時間だったのだが……どうやら神様は士郎のことが嫌いらしく、予想外に合格者を出してしまった。
 数は四人。

 ギーシュ。
 マリコルヌ。
 レイナール。
 ギムリ。
 
 いくら手加減したとはいえ、確実に気絶させられる程度のダメージを受けながらも何度も立ち上がり十分間を耐え切ったこの四人を合格させない訳もなく。
 結果、ないはずの騎士隊に四人の生徒たちを入隊させてしまった士郎は頭を抱えてしまった。
 まあ入隊させてしまったものは仕方ないと、一応形だけでもと士郎はアンリエッタに事情を説明して騎士隊を作ってもらったのだが、悪いことは続くというか、これまた問題が起きてしまうことに。
 その次なる問題というのは、士郎の願いを受けたアンリエッタが新たに作った騎士隊の名前であった。
 その名は水精霊騎士隊(オンディーヌ)
 数百年前に廃止されたが、千年以上前に創設されたトリステイン王家と縁の深い水の精霊の名を冠した伝説の騎士隊であり。予想以上にとんでもない名前を受け継いだ騎士隊を渡された士郎は、その名前の影響力を考えまたも頭を抱える羽目になってしまう。
 新しい問題と共に生まれ騎士隊なのたが、その隊長たる士郎はさらさら合格した四人を率いるつもりはなかった。
 とは言えそんなことをギーシュたちが認めることは絶対にない。ぼろぼろになってまでようやく入隊した騎士隊だ。何らかの戦果を上げたいと思っているはずである。
 しかし、もう入隊は許してしまった。
 そこで士郎が考えたのが、もう一つの試験である。
 入隊は許したが、栄光ある精
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