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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十八話 高度30,000mの戦いA
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げ班に入っていた。
緩やかに地表へ向けて降下しつつ、鋭い声で指示を飛ばす。そして――
――轟!!
「――っ!?」
これまでとは比較にならないほどの急激な加速。
自分自身が砲弾になったかのような加速に、和音は思わず目の前が暗くなりかけた。
全身から魔法力が滝のように流れ落ちていくような虚脱感に苛まれながら、歯を食いしばってひたすらに上を目指す。叩くべき敵は、遥か上空に居るのだから。
そして、第二打ち上げ班も当初の役割を完遂し、あとは攻撃隊を見送るのみとなった、まさにその時だった。
「――今です、エイラさん!!」
「サーニャ!! サーニャ!!」
離脱して降下に転じる筈の和音がエイラの襟首を掴み上げ、強引に上昇を開始する。
「なにしてるのエイラ!?」
「サーニャは……サーニャはワタシが守るんだ!! いつだってワタシはサーニャの傍にいたい!! どんな目に逢ってもダ!!」
「――――っ!?」
すでに攻撃隊の二人はロケットブースターを点火している。
魔法力も燃料も底を突いたエイラと和音が追いつくのは無謀極まる試みと言えた。しかし。
「あがれええええええええええっ!!!!」
乾坤一擲の全力全開。エンジンが再起不能になることも厭わぬ大出力をもって、和音はどうにかエイラをサーニャと宮藤の横に到達させた。
「あとは……頼みましたよ、エイラさん、サーニャさん、宮藤さん……!!」
力尽きたように背面から地表に向けて降下していく和音。
残された三人は、そのまま力強く空の向こうへと上昇していく。
「エイラ……エイラ……っ!!」
「大丈夫だよサーニャ。ワタシも頑張るから――黙ってて悪かったナ、宮藤」
「びっくりしましたよエイラさん……帰ったら怒られますよ?」
「いいんダヨ。サーニャを守れるなら、それくらい安いもんダロ」
いつしか三人は雲を越え、空を越え、ついに高度30,000mの世界に足を踏み入れていた。
もう、ここでは言葉は通じない。
しかし、彼女たち三人が心を通わし合うのに、言葉などなくでも十分だった。
小さく目配せして頷くと、三人はすばやく位置を入れ替え、眼前に聳えるネウロイの巨塔へと進路をとる。
最前衛に宮藤が、その後ろにはサーニャが、最後衛にはエイラが。
鉄壁を誇る宮藤のシールドが敵の攻撃を尽くはじき返し、エイラの未来予知が最適な接近ルートを導き出す。まさに完璧なコンビネーションだった。
(ワタシが……ワタシがサーニャを守るんだ!!)
知らず力を込めた掌を、そっとサーニャが握った。
――すでに敵のコアは目前だ。恐れるものは、何もない。
(行け!! サーニャ!!)
心の中で精いっぱいの声援を送るエイラ。
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