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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十八話 高度30,000mの戦いA
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がないじゃないカ!! どうせ宮藤ならサーニャをまもれるんダロ!!」
「諦めちゃダメですッ!!」
「――――っ!?」

 真剣な眼差しの和音が、エイラの頬に両手を置いていった。
 その威圧感たるや、歳も階級も上のはずのエイラが気圧されたほどだ。

「よく聞いてくださいエイラさん。実はわたしに秘策があります」
「ナ、ナンダッテ!?」
「ですが、これはかなり強引な方法ですよ? それでもやりますか?」
「……本当に、シールドが張れるようになるんダナ?」
「もちろんです!! ……たぶん、きっと」
「おい、どっちなんダヨ!!」

 詰め寄るエイラに和音は言った。

「張れるようになるというか、張れないと命に関わるというか……」

 チラチラとF-15へ視線をやりながら言う和音。そんな態度に業を煮やしたのか、エイラが和音に詰め寄る。

「ああもう!! いいからさっさと教えろヨ!!」
「実はこう言う方法を考えていてですね……」
「フムフム、それでワタシはどうすれば……」

 エイラと和音の極秘作戦会議は、こうして人知れずひっそりと行われたのだった――






 ――翌朝 作戦決行時刻

「全員よく聞け!! この作戦の成果がロマーニャ防衛を左右するものと思え!!」
「超高高度での戦闘は人類の限界をはるかに超えるわ。最終確認を入念にしなさい」

 あわただしく機材や武装がセットされ、攻撃隊打ち上げの準備が進む滑走路に、ミーナと坂本の声が響き渡った。
 二人とも、厚手のコートにマフラー、それに手袋と耳当てという出で立ちだ。比較的温暖なロマーニャではまず目にしない格好だが、これは高高度での低気温対策だ。和音の時代であればそれこそ耐圧・防寒対策を兼ね備えた衣服や、ユニットのシールドに調整を施すことでカバーできるが、この時代にそんなものは望むべくもない。

「よく似合ってるぞ、ルッキーニ」
「うぇー、暑いのやだぁ」
「バルクホルンさんのコート、ちょっとサイズが大きいかな……」
「ないよりはマシですわ。打ち上げのみとは言え、相当な高度ですのよ?」

 整備班がユニットやロケットエンジンの最終確認を行う横で、防寒装備を整えた宮藤やペリーヌたちが最後の詰めを行っていた。そんな彼女たちから少し離れたところから、心配そうな顔をして立っているのが――

「え、エイラ……これ、わたしのマフラー。使って……」
「……うん、ありがとな、サーニャ」

 スオムスから持ち込んだコートに着替えたエイラと、そしてサーニャだった。
 作戦決行直前、最後のブリーフィングを行う際、サーニャは勿論の事、501の誰もがそれとなくエイラの事を気にかけていた。エイラがサーニャを大切に思っているのは全員が知っていたし、これま
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