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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十八話 高度30,000mの戦いA
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「ほ、本当にいいんですかぁ……?」
「構いませんわ。どうぞ存分におやりになってくださいまし、リーネさん」
――翌日
よく晴れた基地の空には、おっかなびっくりで対装甲ライフルを構えるリーネと、悠然と滞空するペリーヌの姿があった。そして、その二人の間には武装も何も持っていないエイラがいる。
「さあエイラさん。わたくしをサーニャさんだと思ってしっかり守ってくださいな」
「えー、お前がサーニャかヨ……」
「なっ!? もとはといえば貴方が持ちかけてきた話でしょう!! ――リーネさん、構うことはありませんわ。思いっきり撃ち込んで結構でしてよ!!」
「は、はいっ!!」
瞬間、リーネの指が引き金を引き絞り、ボーイズMkTの銃口から焔が迸った。
模擬弾でも何でもない、正真正銘の徹甲弾だ。ネウロイの体躯を抉り撃つそれを――
「よっと!」
「きゃうっ!?」
「ソーレ!!」
「くぅ……!!」
「あらよっと!!」
リーネが狙い撃つ先、ユラユラと滞空するエイラは、次々と飛来する弾丸を驚くほど鮮やかに回避してみせる。都合六発撃ち込まれた弾丸は全て虚しく空を切り――ペリーヌのシールドを直撃した。
「ななな、なんて事なさいましてエイラさん!! これは貴女の訓練でしょう!?」
「い、いやぁ……ほら! 普段からワタシはシールド使わないから慣れてなくっテ……」
「そのための訓練でしょう!? これではわたくしのシールドが先に力尽きますわ!!」
額に青筋を立てて怒るペリーヌ。なるほど、ペリーヌの言い分ももっともである。
なにしろいま三人がやっているのは、エイラのシールド訓練なのだ。実戦でシールドを使用した事の無いエイラは、その点を不安視され攻撃隊から外されている。それを何とか撤回させるために急遽こうして訓練に臨んでいるのだが、結果はご覧のとおりである。
「も、もう一階だけ頼む! な、それならいいダロ?」
「……まあ、それくらいなら結構ですわ。――リーネさん、もう一度だけお願いしますわ」
「り、了解です!!」
再び響き渡る轟音と悲鳴。
結局、エイラのシールド訓練は午前中いっぱいまで続けられたのだった。
「あ、エイラさん」
「なんだ、沖田かヨ。いまワタシはすっごく忙しいんダ!!」
昼食をとりに食堂へと降りて来た和音は、やや焦ったような表情を浮かべたエイラとすれ違った。せっかくのマリネも流し込むようにして食べ終えると、エイラはそのまま「ご馳走様!!」といって駆け出して行ってしまう。
(シールド、巧く張れないのかな……?)
和音は思い出す。和音の時代――1995年に伝わるエイラ・イルマタル・ユーティライネン最大の武勇伝といえば、決して被弾しないこと≠ナあった。
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