第二十八話 夜の一族
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side 遼
「…………おおぅ」
目が覚めると知らない天井。
病院ではなく、どこかのお屋敷のようだった。
……いやこの内装、どこかで見たことあるような?
「あら、お目覚めですか?」
扉が開き、メイドさんが現れる。
(確かすずかの家の、ノエルさん?だったような……)
そこまで思い出すと、先ほどのことが頭をよぎる。
「…………」
首を触ると包帯が巻いてあり、さっきのアレが夢じゃないことを示していた。
「……あれ?」
ポケットから携帯を取り出そうとして、違う服に変わっているのに気がつく。
「すいません、気を失っておいででしたので、勝手ながらすずかお嬢様のパジャマに着替えさせてもらいました、衣服やお荷物はこちらに」
「そう……」
渡された鞄から携帯電話を取り出す。
(現在時刻は夜の九時半過ぎ、寝すぎたなぁ)
いつもなら家でお風呂に入っている時間だ。
「あら、遼ちゃん起きたの?」
頭を抱えているとすずかのお姉さんが入ってくた。
「……お邪魔してます」
「いやいや、迷惑かけたのはこっちだし気にしないで、…………あ!」
お姉さんが何か思いついたようで、怪しい笑みを浮かべている。
「そう言えば遼ちゃん、お風呂まだよね?」
「……はい」
「クリムさんには連絡しておいたから今夜はウチに泊まっていってね、ささ、まずはお風呂よ、ノエル、案内してあげて」
「かしこまりました」
……。
…………。
………………何やら強引にお風呂場まで連行された私、まあそれは百歩譲っていいとしても、
「………………はぁ」
なんで先に入っている人がいるのだろう?
まあ、誰かは想像がつく。
(あのお姉さん、絶対分かってて私をよこしたなぁ)
ゆっくりと深呼吸をして、一気に扉を開ける。
「え!?」
先に入っていたすずかが驚いてこちらを見る。
「やあ」
「は、遼ちゃん!」
side すずか
「は、遼ちゃん!」
私が一人でお風呂に入っていると、急に遼ちゃんが入ってきた。
「横、いい?」
そう彼女は尋ねてくるけど、私は気が動転していて何も言えない。
「…………」
すると彼女は何も言わずに私の隣に座って、頭からお湯をかぶる。
彼女がどうしてここに来たのかわからない。
もしかしたら怒っているかもしれない、私に酷いことを言いに来たのかもしれない。
そんな不安が私の胸を押しつぶそうとする。
その時、彼女がこう言った。
「吸血鬼」
「!?」
心
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