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やはり俺達の青春ラブコメは間違っている。
第四章
無情にも材木座義輝の前に比企谷八幡は訪れない。
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れてしまうまである。
 だが、しかし、――ねぇ……。

「雪ノシシ……」
「……………」
 あ、ごめんなさい。命乞いさせてください。強く睨まないでください。いやね、違うんです。これは僕がただ単に思い付きで『かいけつゾ○リ』の仲間である双子のイノシシのイ○シとノ○シの名前を、貴女の、いえ貴女様の御名前である『雪乃』という、まあ何て素敵な御名前なのでしょう、その御名前に、くだらない駄洒落のように掛けてみたわけでも無いのです。私こと、桐山霧夜は、清く正しい、真っ当な親切心から、貴女が大の動物好きである事実を皆様に知らせてあげようと謀った次第で御座います。
 決して『ちょっと面白そうだった』とか言う軽弾みな気持ちで行ったわけではないのです。

                                     ……いや、ホント。
「………」
 俺は脳内で練った文章を、ここで復唱しようと試みる。
「あ、ごめんなさい。命乞いさせてください。睨まないでください。いやね、違うんです。これは僕が……って、聞いてるの?」
「いえ、今日はどんな嘘を吐く気かしら、と」
 ばっちりバレてた。
「……あ、いや。その――雪ノ下さんって動物好きかな!?」
「速効で逃げに行ったわね……。いいのよ、馬鹿らしくて怒る気なんか失せているから。……では、貴方は何を期待していたの、教えなさい」
「いや、何でもないです。ただ何となく、博識な雪ノ下さんなら、このネタ気づいてくれるかなーって……」
「このネタとは?」
 比企谷がもうやめろよ、とつぶやいたが、雪ノ下は尚も俺に問い詰めてくる。

「えーとぉ、知りませんかね?イ○シとノシ○……」
「知らないわ。……もしかして空想のキャラクターの名前を掛けただけのくだらない駄洒落?」
「あ、そうです……」
「………はっ」
 鼻で、笑われたっ!
 『情弱め!』みたいな感じに!
 ……悲報。俺氏、見事に言いくるめられる。

「まあ、いいよ。今日さ散髪を切ってもらうんやがら」
「桐山くんが珍しくドーヨーしてる……」
 うるせえよバカ。黙っていろ。

「ようやく大人しくなったわね……さあ、ソコの椅子に座りなさい」
 雪ノ下が指差す椅子には、おわ、怖あっ!
 ソコにあったのは椅子ではあったが、俺が知っている椅子ではなかった。何これ拷問の機械?
 五重のベルトに、目隠し、おまけに腕に巻き付けるであろう手錠まで。これで(くつわ)があったら俺は死を予感していただろう。そんな事を思うくらい、ヤバめな椅子だった。
 これに座ったらそりゃあどんな馬鹿でも大人しくなるだろ。
 しかし、一歩間違えば大人になれないまである。何この矛盾、恐すぎだろ……。

(嘘、でしょ?)
 俺は目で雪ノ下に問う。頼む
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