第四章
無情にも材木座義輝の前に比企谷八幡は訪れない。
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子も大勢いて……えぇっ!?そんな!男女合同と有らば、俺もテニス部に入ったのに!
……で、よく考えたら我が奉仕部も男女は合同でした。もうやだやめてしまいたい。
昇降口を通ったあと、まずは職員室に出向く。
運良く、平塚先生を見つけるとにこやかに挨拶をする。
「おはようございます平塚先生。今日は髪を切りに来ました」
「おはよ……おい、君は学校を何だと思っている。……いや、言うまでもなく床屋だと思っているのだろうが……」
「先生、決めつけは良くありません。俺は決してこの学校を床屋だなんて思っていません。本当に、露程もです。……ここ学校は素晴らしい設備を整えてあります。俺だって流石に美容院くらいには意識してますよ」
「バカが。……それと、君に確認したいことがある。君は最近、比企谷や雪ノ下、それと由比ヶ浜結衣に対しての理解は変わったかい?」
「理解?」
俺は首を傾げる。……理解、ねぇ。
俺は心の奥底の方でつぶやき、しばらく考えてから告げる。
「理解なんか及びません。人間なんか分かりません。……いつ居なくなるのか、いつ現れるのか、何を思い、何を感じるのかも、全てが違う。だから理解は不能です。ただ、僕にとって彼らは――よく考えたら大して重要ではないですね。ただ、何だかんだで楽しい奴等です。まあ、楽しくなくても生きていけるんですけど……」
「そうか!それは良い傾向――では、ないな。感覚が麻痺してちょっとマシになっただけで軽く喜んでしまった……。それとだが桐山。お前、本当は勉強もしていないだろう」
「……どうして、ですか?」
俺は尋ね返す。普段の成績は十分に優秀ではあるはずだが?何故、そのような疑問を覚えるに至ったのだろう。おかしいだろう。なぜわかる。――だから平塚先生はエスパーさんなの?
「実は書類上のお前を調べたんだ。まあ、調べたといっても、書類を見つけるのに苦労しただけなのだが……お前、この辺りでトップの学力の中学にいただろ。確か、噂だと堅苦しい校風で、七三わけの厚い眼鏡をかけたような連中が入学するような学園?……だったか」
「ああ、バレましたか。うん、別に中高一貫の学園じゃありませんよ。ただ広いだけの中学校です。確かに七三のアホみたいに分厚い眼鏡のむさ苦しい奴等もいっぱい居ましたけど、学力はそこまでじゃないと思いますよ。俺、いつも全科目一位とってましたし……。周りは納得してませんでしたけどね。俺みたいに普通の奴がいつもトップだったなんてこと」
俺は苦い記憶を思いだし、どうでもいいと思った。それに、思えばそこまで苦くなかった。
俺が固く目を瞑ると、平塚先生は声を荒げて言った。
「そいつが何で万年十位なんだ!おかしいだろう。お前の中学はもう入学しただけで学歴に色がつく特殊な学校なんだぞ!…
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