第四章
無情にも材木座義輝の前に比企谷八幡は訪れない。
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分からんだろうが。
まあ、現実の会話には縦も横も無いけどね。
退屈になって欠伸をすると、比企谷くんとお友達らしい材木座くんはまるで、デゥンデゥンデゥン♪野生のザイモクザは逃げ出した。……と、もはやポケットには収まりきらないであろうモンスターが出てくる某ゲームで、野生のモンスターが逃げ出した時のテロップが表示されそうな雰囲気を醸し出しつつ、部室から飛び出した。
俺は何だか疲れてダルくなってしまい、足早に帰ることにした。
……まったく、今時の中二はギ○ドレインでも使えんのか。草タイプかよ。
――超疲れた。
× × ×
休日、もとい散髪日がやって来た。
無駄に明るくて、無駄に清々し気な、不毛で他人事な朝だ。とっくに両親は俺のことは全て忘れて、それでも既に幸せそうに家を出たあと。父は仕事で、母は父より低賃金の余裕ある職に就いており、共働きで生活している。俺はだらだらと飯も食わずに朝を迎えた。
だらだらと制服に着替え、だらだらと余裕ある時間を食い潰す。
何事もせず、自室の時計を見つめる。
そして、そろそろ時間になるのでネームプレートを装着し、生活感のない部屋をあとにした。
ネームプレートを首にかけ、外に出ると、世界は一変。まるで掌を反したように町の皆が僕に笑顔で手を降り、小鳥はさえずり朝日はシンプルな街並みを照らす、そんな素晴らしい休日が始まる、
……な ん て 事 は 無 か っ た 。
誰も僕には気づかない。真正面でぶつかっても僕は弾かれ、素通りされ、車に轢かれないように端っ こを歩く。本能的に死なないように気を付けながら、慣れたように口笛を吹いて行く。
どうやら何の関係もない人達からではこんなネームプレートは何でもない、ただの板であるため、俺の事を気にするわけでも無いようだ。こいつは特定の状況下において効果を発揮するものらしい。
つまりはイベント回収用アイテムなんですね、わかります。
普通の戦闘だと『NO USE』とか赤文字で表記されたり、通常戦闘の時に選択するとブゥンブゥン、って鈍い効果音がするアレですね。そのくせボス戦前のムービーとかでかっこよく取り出される、ご都合主義並びに主人公補正ご用たちのアレなんですね。
何てなところで、数回信号を無視し、数回人家を通り、数回警察官に挨拶すると、そこは学校だ。
今日は休みだが、他の部活も休日練習があるため門は開いており、俺は易々と校内に入ることができた。
すぐ横にはテニスコートがあり、既に練習し、汗を流している者もいた。見れば一人の美少女がキラキラと煌めく汗を弾きながらラケットを振るっている。……あれ、女子テニスって男子テニスと練習一緒だったっけ?その少女のすぐそばには男
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