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やはり俺達の青春ラブコメは間違っている。
第四章
無情にも材木座義輝の前に比企谷八幡は訪れない。
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 焦れったい昼休みも終わり、放課後を迎えようとしているクラスの雰囲気。確か中学生の頃、僕はこの感覚が嫌いだった。何かがフッと、肩口をすり抜けるような、周りの何かに自分が取り残されたかのような、これは……言葉にするなら、まるで浮遊感を覚えたような……。そんな感傷に浸っていた。
 この日もふっと肩を空気の波が撫で、さっと血の気が引いていって、僕は立ち尽くした。――でも、微かながら、自分の身に引っ掛かるそよ風を感じた。
 今日が終わると明日も既に終わるみたいな毎日とは暫しの別れがあって、雪ノ下にも明日の準備があるようで、本日の奉仕部の活動はお仕舞いである。
 ……まあ、僕はとびきり暇だったので奉仕部の部室に向かおうと思ったわけだ。
 だって、俺は基本的に一人が好きだから。基本でなく応用でも何でも、一人が好きだから。

「うぬぅうっ、遅いいぃぃぃい!何をしてるのだ、八幡はぁぁぁああ!我が折角ここでお前を待ちわびていると言うのにぃぃい!」
 僕は雨上がりの煤けた青空を廊下の窓越しに見上げ、一人、酷い感傷に浸った。
 静かに、穏やかに、無意味だけど健気に、無価値でも大きな青を感じながら、部室の中に立つ、暑苦しい豚の存在について考えた。――え、誰この人。自分のこと我とか言ったり、いや、そもそも声でかいし……。ってよく見たら材木寺くん、の飼ってる豚じゃないか。……え、違う?

 ちょっと待ってよ、面倒くさい。これはあれでしょ?ここで話しかけて早々にご退場願うのは八幡の素敵なお仕事でしょ?どうなってんだ現実。
 しかし奉仕部の一部員として、その部室に人が居れば相手をするのは当然で……。

「ガラガラガラー」
 こんなのがいる教室に自然に入り込んだ俺すごい。もうコミュ症なんて言わせない。お腹回りや周囲の友達もスッキリ!
 ――と、俺はダイエット食品の受け売り的な発言をする。そして彼は「もふぅっ!」という中々に気持ちの悪いリアクションをとる。今時、いや今までも「もふぅっ!」なんて声を出す人間は居なかったろう。もしかしてコイツは新人類なのではないだろうか。だが、それは俺が言えることでも無いのであった。無念……。
 
「むぅう、何奴!」
「どこの時代の誰ですか……。あー、そのね?残念ながら今日は八幡こないよ」
「ナナッ、ナンダッテー!……八幡、我はお前との対等な決闘を望み、十年も此所で……待ち続けていたと言うのに。――は、はちまん我の味方はお前しか……orz」
「……おい。orzとか、なんかそう言うネット用語多様すんな。ってかお前いくつよ?」
 つーか何で分かったんだろorz。これの発音なによ……。オーアールゼット?それともオーズ?ちなみに中学生の頃、これが人の形だと気づく以前はオーズって読むんだと思ってました。どちらにしても縦文字になったら
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