第10話「中立」
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高校生……っていうか私達と2つしか違わないはずなのに全然女子のことを変な色目でみたりしないじゃない?」
「ええ」
それは確かにネギも日頃考えていたことだ。タケルほどの年齢ならばそれこそ性欲の対象として女性を見ていてもおかしくないはずなのに、そんな仕草が一切見られない。
10歳のネギにはまだ、理解できるわけではないが、それでも彼がどこか異常なことはわかる。
「それで、私達に魅力がないのかな、とか。実は女性に興味がないんじゃないか、とか色々話をしてたんだけど――」
――そんなことに気を配ることを知らずに生きていたんだ。
最後まで口に出すことは出来ず、申し訳なさそうに顔を伏せる。ネギは何となくだが彼女の気持ちがわかり、元気付けるように「でも、じゃあ」と付け加えた。
「今日はタケルさんのことがちょっとでも分かってよかったですね」
「……うん」
2人が寄り添って歩く。
月が足元を照らし、歩くべき道を指し示す。風が髪を揺らし、花を舞い起こす。綺麗に彩られた自然を進む彼等の姿は、まるで本当の夫婦のように優しかった。
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